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37 タカさんに聞きたいこと
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「ちょっ、ちょっとタカさん、掃除しないと」
洋子さんを見送って、スパルームの片付けを手早く済ませる。
もう営業も終わるので、掃除をしないといけない。
急いでフロアの方へ戻ろうとしていた所に、タカさんがスパルームへ入ってきて扉を塞ぐ。
「アイツ、ゆうとに何か変なこと言わなかったか?嫌なこと、されたりしてないか?」
「大丈夫ですよ。バレエの話とか、大学の話とかしただけですよ」
「そっか。なら、良いんだけど」
そう言いつつ、タカさんは納得してないんだろう。
入り口から退こうとはしない。
「タカさんは良いかもしんないけど、アシスタントの俺が掃除サボってたらやばいから。わかるでしょう?退いてください。・・・話は明後日タカさんの家でしましょう。俺もタカさんに色々聞きたいこともあるし」
「ゆうとぉ~」
「何、情けない声出してんすか。ほら、わかったら退いた退いた」
しぶしぶ、といった感じでタカさんは扉の前から退いてくれた。
明後日、日曜日の営業が終われば次の日は休み。
時間を気にすることなくゆっくり話が出来る。ちゃんと、話をしないといけないんだと思う。
ちゃんと、タカさんと話し合いたい。
無意識に、左の肩をなぞる。
そこに赤く色づいたしるしは、もう消えかかっていた。
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