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8 エピローグ
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いつまでも余韻に浸り、呆けてもいられない。
「タカさん、これ・・・」
俺はあらかじめ準備しておいたホットタオルをタカさんに手渡す。
ホカホカと湯気をあげているそれで、それぞれオイルでベトベトになった下腹部の事後処理をする。
「はぁ~・・・ホットタオルは気持ちいい」
「タカさん、おやじくさいよ」
しみじみと呟くタカさんにすかさず突っ込む。
「・・・ちゃっちゃと後始末して、帰るぞ」
俺の言葉に、タカさんが少し拗ねた態度で身支度を済ませていく。
「あ、そ~いやゆうと、お前アレが兜合わせって知っててやったのか?」
「っ!・・・ゴホッ、ゴホッ」
タカさんがなんの脈絡もなく先ほどの行為について話し出すから、びっくりして噎せてしまう。
・・・てか、アレの名前知ってたんだ。
なんつーか、さすがタカさん。
あんな行為、マイナーなんじゃないの?え?みんな知ってんの?男のたしなみ的な・・・?
「ゆうと、なんで兜合わせなんか知ってたんだ?まさか・・・他のヤローとやったことあるからとか・・・」
「わぁ~!!!違う違うちがーう!あ、あ、あれは、えと・・・」
なにやら不穏な空気を醸し出すタカさんの言葉を遮り、慌ててしまう。
ジロリと俺を睨むタカさんは、適当なことを言ってこの場を誤魔化せそうにない。
「あ~っと・・・」
なんと言えば良いのか・・・しばし途方に暮れ、天を仰ぐ。
「う~・・・、マサトが・・・」
歯切れ悪く話す俺に、タカさんが鼻息荒く
「あ~?あんなことをまさかマサトとやったのか?」
と詰め寄ってくるのをなんとか宥め話しを続ける。
「違くて、なんて言えば良いのか・・・なんか、2、3日前にマサトがいきなり『お前、兜合わせってやったことあるか?』って聞いてきて、俺そんなこと知らなかったから『なんだそれ』って言い返したんだよ。そしたら『男なら知っていて当然、やっていて当然なんじゃねぇのか?』ってさ、俺が『知らない』っつったらえらくショックな顔してふらふらどっか行っちゃって・・・。気になったから、ネットで調べたんだよ」
納得したのかどうなのか、
「ふんっ」
と、至極つまらなさそうな顔をして、タカさんはそれ以上何も追及して来なかった。
にしても、マサトはなんでいきなりあんなこと聞いてきたんだろうか。
マサトにしては珍しく、えらく切羽詰まった様子だったし・・・。
改めて疑問に思い、俺は明日にでもマサトに聞いてみようと思った。
「あ、タカさん待ってよ!」
スパルームをもとの状態に戻し、先に出て行こうとするタカさんを追う。
「タカさん、愛してるよ」
なんとなく、タカさんに好きって気持ちを言いたくなって俺はそのまま口に出す。
気持ちが溢れた。
いや、いつだってタカさんへの気持ちは溢れてる。
・・・伝えたくなった。
その言葉に、タカさんは頬を赤らめ触れるだけの優しいキスをしてくれる。
触れたところから、タカさんのぬくもりが伝わる。
・・・スキ。
愛してる。
そんなタカさんの気持ちが、触れたところから伝わってくる気がした。
あぁ、幸せだな。
タカさん、俺を好きになってくれてありがとう。
俺の側にいてくれて、ありがとう。
タカさん、愛してるよ。
そんな気持ちを込め、タカさんの手を握る。
伝われ、伝われ・・・溢れ出るこの気持ち繋がる指からあなたへ・・・愛してる。
あなたたへ、伝えたい。
指先から愛を・・・。
END
次回、マサトの場合へ…
To be continued.....
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