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「ゆうと・・・」
お姫様だっこのまま俺を寝室へ運び、愛しそうにいつものように俺の名前を呼ぶタカさん。
ベッドへ俺をゆっくり降ろし横たえると、唇を近付けてくる・・・目を閉じ、ついいつもの癖でそれを受け入れてしまいそうになって、思い出してしまった。
先程見た・・・あの、気を失って倒れそうになるくらいにショックを受けた光景・・・誰とも知れぬ美青年に迫られ抵抗もしないタカさんの姿・・・。
すんでの所でタカさんの胸を押し返し、キスを拒む。
驚いたように俺を見詰めるタカさんに、俺は恋人として当然の権利を行使する。
「さっきの・・・なに?なんでキスされそうになってんの?あれ、誰?」
なるだけ、嫉妬や動揺がタカさんに伝わらないように、感情的にならないよう声を抑えて聞いた。
「あぁ?なんだぁ?何言ってんだよ、キスされそうになってたのはお前だろ?」
・・・なるだけ、感情的にならないよう俺はこれでも色々と文句を言いたいのを我慢もしている。
それなのに、タカさんは相変わらずの軽い調子で返すものだから、我慢も限界にある俺はつい大きな声を出して非難してしまう。
「適当なこと言うなよ!!誤魔化すな!!顎掴まれて、あんたアイツにされるがまま為すがままだったじゃんか、顔だってあんなに近付けて・・・んぅ、っ」
・・・ズルい。
いつだって、主導権はタカさんが握ってる。
怒りで声を荒げる俺の唇を、タカさんの唇が塞いでしまっていては、もう非難を続けることは出来ない。
角度を変えながら長い長いキスをする。
そうしているうちに、もう俺の怒りもすっかり落ち着いていつもの冷静さを取り戻していた。
「誤解だ。あれは、俺の目にゴミが入って・・・いいって言ってんのにアイツが無理やり顔近付けて目ん中見てくれてたんだよ。あぁ~なんだ?つまりお前、俺が真琴にキスされそうになってるって思って嫉妬したわけ?」
ぷいっと、タカさん質問には答えずそっぽを向いて黙り込む。
なんだよ・・・つまり俺の早とちりで勝手にキスしたとか思って浮気だって思って嫉妬して、挙げ句ショックで倒れそうになるとか・・・どんだけ恥ずかしいんだ。
さっきからニヤニヤと、なんだか嬉しそうにしてるタカさんの態度もちょっとムカつく・・・。
「ほら、剥れんな?ったく、可愛いゆうとの顔もっと良く見せろや」
そう言って、また顔を近付け唇を合わせてくるタカさんに、俺も応える。
舌も絡ませ、どんどん深くなるキス・・・そのまま自然とタカさんの首に手を回して抱き合うように口付けを交わしていると
、
「コンコン。酷いなぁ~、タカも君も完全に俺のことを忘れてるでしょ?」
と、まるで自分の存在をアピールするかのようにノックの音を口で言って、あの真琴とかいうらしい美青年が開いたままになっていた寝室のドアの横に立っている。
頭ごと体をドアに凭れ掛け、足を交差させているその姿はモデル顔負けの雰囲気を醸し出していて、とても画になるものだった。
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