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洋子さんを見送り、フロアへ戻るとすぐタカさんが血相を変えてこちらへ向かって来る。
「ゆうと、お前何かあったのか?」
そう言って激しく肩を揺さぶってくるのを
「なんでもない、なんでもないから落ち着いて・・・」
と、なんとか宥めた。
「洋子さんが来てちょっと話しただけ・・・詳しい話は営業終わった後でするから、とにかく心配しないで仕事に集中して、ね?」
しぶしぶといった感じで仕事に戻るタカさんにほっと胸を撫で下ろしていたら、今度は後ろからマサトがやって来て声を掛けられる。
「重役出勤のゆうと先生、ど~こ行ってサボってたのかな?」
「わあっ!びっくりした・・・いきなり驚かすなよ」
背後に迫っていたマサトの気配を全く感じなかったから、本当にびっくりして飛び跳ねてしまった。
「はいはい・・・ゆうと先生がいつまでもフロア帰って来なかったから、タカさんが心配して集中力なくなってな?そりゃあもう大変で・・・はぁ、まーいーや。なんか問題あんならさ相談ぐらい乗るんだから、あんま水臭いこと言ってんなよ?」
・・・どうやら、マサトも心配してくれているらしい。
本当に、俺は優しくて頼り甲斐のある良い同期を持ったと、誇らしくて頬が緩んでしまうではないか・・・。
「けっ・・・ニヤニヤしやがって。はぁ~あ、真面目に心配してやってんのに馬鹿らし・・・お前、明日から一週間朝のトイレ掃除な~?」
「は?ちょっ・・・待っ・・・」
「今日、遅刻したバツ~!!ははっ、んじゃ俺は今から良人さんの仕上げにつくからまたなっ!」
『待て』と言うのもきかず、いたずらっ子のような顔をしてさっさと仕事へ戻るマサトに、俺は間抜けな顔をしてただその背中を見送ることしか出来なかった。
・・・仕方ない。
それもこれも、遅刻した俺が悪いのだ・・・トイレ掃除、はいはいトイレ掃除ね・・・ピカピカに磨いてやりますよ、やりますとも・・・。
・・・はぁ、本当に昨日から真琴のお陰で散々だ。
そう思って俺は深いため息をつくと、真面目に掃除に取り掛かった。
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