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『変な外国人が俺を訪ねて来た。仕事終わったら話しに行くからお前も来い』
営業が終わって呑気に掃除をしていたら、タカさんがいきなりそう言ってきた。
また、厄介事が舞い込んで来たのかと随分と気落ちしてしまったが、挫けていじけた所で状況が好転するわけもないことは身を持って嫌という程心得ていたので、とにかく無心で体を動かし、その時に備えることにした。
そして・・・
「はいはい。お疲れちゃん、お疲れちゃ~ん!!悪いけどゆうとと俺、ちょっと今日の反省会アンドミーティングやるんでお先しますよ~っと・・・」
と、終礼が終わるや否やタカさんはそう宣言し、皆が・・・俺も含めその場にいた全員が呆気にとられているうちにさっさとスタッフルームから俺と自分の荷物を持って来るとお店を出ようと俺の手をとる。
「良人店長~、お説教はまた今度にしてねっ!!」
最後にタカさんはそう言い、ウィンクをひとつ良人さんに投げ掛けると、あとはもう逃げるようにしてお店をあとにした。
「タカさん、いくらなんでも不味いんじゃ・・・」
タカさんに手を引かれながら、恐る恐るそう声を掛ける。
なぜ恐る恐るかといえば、今のタカさんは絶対にイライラしている・・・こんな風にハイテンションで機嫌が良く見える時こそ、実は一番機嫌が悪いということを俺は知っているからだ。
すると案の定最高にご機嫌の悪いタカさんの声が返ってきた。
「知るかっ!ったくこっちは疲れてんだ、ねみーんだ、ダリーんだ、疲れてんだ・・・あ?疲れてるって2回言ったか、どーでも良いや、とにかくチンタラしてらんねーよ、さっさとコイツんとこ・・・って、電話してねーや。どこ行きゃいーんだ・・・」
どうやらイライラに任せて適当に歩いてきていたらしい・・・目的地がわからないことに気が付くとポケットから紙を取りだし電話を掛ける。
なんだかんだ、やはり俺も相当疲れているらしくタカさんが電話しているのをボーっと眺めていた。
呆けているうちにいつの間にか電話は終わったみたいで、またタカさんに手を引かれ歩き出す。
「逆戻りだ・・・ったくダリー・・・奴等店の近くの喫茶店に居やがる。ほら、はす向かいの・・・」
タカさんの声がなんとなくしか頭に入らず、適当に相槌を打ちながら歩く。
そして目的の喫茶店へ入ると、嫌でも目につく目立つ二人組・・・お店中の注目をものともせず優雅にお茶を啜る二人の見目麗しい男達・・・。
「タカさん、真琴さんがパツキンのイケメンさんと一緒にいる」
俺の言葉に、タカさんは頭を抱え、
「お前・・・俺の話一個も聞いてなかったのな・・・」
と、心底呆れられてしまった。
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