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愛情表現 Scene立花
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ちゃんと恋人ってものになったところで、草野という男に対しての態度や言動を変えられない。
世の中の恋人達は一体いつパートナーに対しての態度を甘いものにするのか
そして、言葉遣いも甘えた様に可愛らしく…または男らしさを見せつつも優しく、一体いつからその様になるのか。
全く解らない…。
どのくらい付き合えばそんな風になるんだ?
俺の日常では『ウザい』『キモい』が通常で、一応…草野という男に対して甘える自分を想像してみたが、鳥肌が立っただけだった。
何でこんなにキモい思考になっているのか、それは雑誌の占いを見たせい。
今月の恋愛運は◎"好きな人に甘えてみましょう、そして自分なりの愛情表現を…"
別に占いなんて信じちゃいない、でも何となく見たそれを考えてみたら、変な思考がグルグルと駆け回って今に至る。
そもそも、草野にだって優しく愛を囁かれた事はない。
愛を囁くとかそんな言葉も気持ち悪い。
好きだとは言われた、でも優しくというよりは偉そうに…その方がシックリくる。
だいたい草野は偉そうだし、根暗だし、その根暗とキラキラ素敵な恋愛なんて想像ができないものだ。
俺は難しい顔でシャープペンを噛んでいた。
「腹減ってもそれは食えないぞ」
『見てんじゃねぇよ、クソ野』
ほら、これが俺達の日常会話。
どう考えても気が合うとも思えないし、学校ではお互いつるむ仲間も違うから一緒にいる事はほぼ無いに等しい。
目が合えば舌打ちするし、身体が触れようものなら俺は猫の様に威嚇する。
俺は本当に草野の事が好きなのかと自問自答する日は多い。
でも…まぁ…好きなんだよな。
しかし、好きだと言っても急に甘い雰囲気にも態度にもならないのが俺で、それを草野がどう思っているのかなんて気にもしない、だって、それが俺って奴だから。
学校では一緒にいないが、校外ではほぼ毎日と言っていいほど一緒にいる。
学校が終われば、約束している訳じゃないのに2人で草野の家に帰って、遅くまで草野の家で過ごし、泊まる事も少なくない。
草野の家にはいつの間にか俺専用の物が増えていた。
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