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何で逃げたのか解らなかった、どうゆう事だと本人に聞けばいいのに俺は何故逃げたのか…
頭の中でリピートされる言葉「まだ好きだから」
まだって何だ? まだって事は以前から草野に好意を持っていて、草野もそれを知っていた?
それなら何故以前は家に入れていたのだろう…
そもそも、俺は草野の事をよく知らない。
俺の知っている草野は根暗で意地が悪い奴で、高校生の癖に一人暮らしで自由気ままな生活をしているって事ぐらいだ。
何で一人暮らしなのか聞いた事はあるけど、適当な答えであまり詳しくは話してくれなかった。
『何が恋愛運◎だよ、×だろこれ』
何となく、まだ好きだからのまだって言い方が一時は気持ちを通わせていたんじゃないかと思える。
そう思ったら…今、俺を好きだと言った草野の言葉が信じられるものでは無い気がして…
制服のポケットで何度も携帯がふるえている、見なくても草野からだろうと解るけど…見る気にならなかった。
電話なんてしなくても、追いかけて来ようと思えばできたし、家だって知ってるんだから話をしに来ようと思えば来れる、それをしないんだから草野も何か思っている事があるのだろう。
翌日、俺が思うのは…
こんな気まずい雰囲気なのに、こんな時席が隣なのが余計に気まずい。
俺は草野と目が合わないよう、視線を窓の外に向けていた。
草野の顔は見えて無いのに、後頭部に草野の視線を感じる。
「立花、昨日の話…」
『あぁ、あれ? 俺、別に気にして無いから』
「じゃぁ何で帰ったんだよ」
『別に、用事思い出しただけだし』
「電話も出なかっただろ」
『…お前と電話で話する必要ねぇし』
俺は受け答えはするものの、いっさい草野の顔は見なかった。
「こっち向けよ」
『は? 何で? 別にお前の顔なんて見たくねぇし』
「ふざけんなよ」
『ふざけてねぇよ、話かけんな』
草野はガタンっと大きな音を立てて椅子から立ち上がると、教室から出て行ってしまった。
自分の酷い態度が怒らせたのは言うまでもなく、だからといって追いかけて謝るのも嫌だ。
鞄はある、帰った訳じゃない、怒りがおさまったら戻って来るのだろう。
俺は顔を合わせたくなくて、登校してまだ1時間も経っていないのに鞄を持って学校から出た。
学校を早退しても、サボりだから家に帰ることもできずに街をブラブラと歩く
暇つぶしにネットカフェに入って、ココアを飲みながら思うのは
『何やってんだろ…俺』
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