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俺は何に腹を立てているんだろう?
自分と付き合う前に草野が誰を好きだったかなんて気にする事か?
もし、その相手がたとえ実の姉であっても俺に非難する権利はあるのか?
『あぁ…自分の思考がキモい』
正午を過ぎた頃、クラスの友人からメッセージが届いた "草野の真っ黒なオーラがパないんだけど、何とかして" 俺はすかさず "知らね、ほっとけ" そう送ったら、数分後 "朝、喧嘩してただろ?そのせいじゃないの?" そんな返信がきて、俺は溜息をついた。
『くそっ…』
確かに態度が悪かったのは認める、でも俺だって思う事があるんだ。
だけど、このままじゃダメなのも事実で…
『しかたねぇ…行くか』
俺はネットカフェを出て草野の家に向かった。
家に着いても当たり前に草野はまだ帰ってきてはいない、いまさら学校に戻るのもなんだし家の前で待っていよう、そう思って鞄を置いて俺はその上に座った。
待っているといっても何もすることが無くて暇だ、俺は携帯を出してひたすら暇つぶしのゲームをするが昼間のまだ暖かさのある陽気に晒され、ウトウトと眠りに落ちてしまう。
どれだけ寝ていたのか、陽気な太陽も空と共にオレンジ色に染まった頃俺は寒さに目が覚めた
『寒っっ』
流石に昼間は暖かくても、日が落ちるにつれやはり肌寒いのが秋。
俺は冷えた身体を擦った。
『クッソ、遅ぇな草野の奴』
文句を言いながら待っていると、いかにも不機嫌そうに眉間に皺を寄せた草野が帰ってきた
『…よぉ』
話をしにきたのに、草野を目の前にして何を言っていいかわからなくなってしまって、ただそこに立ったままになってしまう
草野は相変わらず眉間に皺を寄せたままだった。
「何しに来た」
『な…何しにって…その、話しようと思って』
「話、したくないんじゃなかったのか?」
『いや…それは…』
「話かけて欲しくないんだろ?」
『だから…そうじゃなくて…』
「帰れよ、俺も話たくない」
話したくない、そう言われて腹が立った。
何で俺がそんな言い方されなきゃなんねぇんだって、腹が立ったんだ
『あぁそうかよ。 俺も話なんてしたくねぇわ。 二度とここにも来ねぇよ』
二度と来ない、別れようとは言って無くても事実上は別れの言葉の様なものだった。
『どけよっ』
俺は草野を押し退けて帰ろうとした。
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