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帰ろうとしたのに腕を掴まれ、草野は部屋の鍵を開けて俺を玄関に押し込んだ。
『痛ぇな 何すんだよっ』
「…お前…何なんだよ」
お前こそ何なんだと言い返そうと思った俺は、いつの間にか草野の胸にすっぽりと収まっていた
『離せよ』
「離さねぇ」
『お前が帰れっていったんだろ、離せ、帰る』
「…離さねぇって、悪かったよ…だから泣くな」
泣くなと言われて初めて自分の頬が濡れている事に気づいた。
『泣いてねぇよ。』
「泣いてるだろ」
『……何で…』
「ちゃんと話すから…聞けよ」
話をするからと部屋の中に入りソファーに腰掛けた、身体が冷えてる俺に温かいココアをいれて草野も俺の隣に座る。
静かな部屋に時計の音だけが響く。
暫く、どちらからも話すこと無く沈黙のままだったが、先に口を開いたのは草野だった
「少し暖まったか?」
『…うん』
「昨日の事…気になってんだろ? 話ていいか?」
『…正直…気になって無いわけじゃないけど…聞いていいもんか解んねえんだ』
「いい、誤解されたままってのも困るし」
『じゃぁ…聞いておく…』
「昨日の女は見たことあるよな?」
『うん…お前の姉ちゃんだろ?』
「あれ、実の姉じゃねぇんだ。親父の再婚した相手の連れ子で…血のつながりは無い」
『…そうなんだ…』
「俺が中学2年の時に親父が再婚して、俺…ずっと親父と2人だったし、母親がいる事も姉ちゃんができた事も嬉しかった」
『うん…』
「それから3年になって…何となくだけど姉が俺を見る目が変わった気がして、だけど俺は気づかないフリしてたんだ。でも、ハッキリ言われたんだ俺の事が好きだって、俺は直ぐに断った…それでも…断っても引かなくて」
『引かなくて…何かしたのか?』
「いや、諦めろって何度も言って…そしたら一度でいいからキスして欲しいってキスしたら諦めるって言われて…」
『したのか?』
「したよ…それで諦めてくれるならって思ってな。だけど…そのキスしてるところを親父に見られて殴られた」
『なんだよ…それ…お前悪くないじゃん』
「どうだろう…出来ないって断れば良かったのに、結局したんだから悪く無いとは言えないかもな」
『もしかして…それが原因で一人暮らし…?』
「そう、その後…家族と折り合い悪くて中学卒業と共に一人暮らし、金には困ってない親父だから俺に部屋と金さえ与えれば家族円満に暮らせるんだから、一人暮らししたいって言われて喜んだんじゃねぇかな」
『でも…何度か姉ちゃんここに来てただろ?』
「来てた、罪悪感でもあるんだろ。来ては料理や掃除してたけど、来てる間は俺、寝室から出て来ないで完全に無視してた。それに…お前と付き合う様になって、家に来ないで欲しいって言ったし」
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