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シャワーを浴びてスッキリした顔をした草野がグッタリとベッドに横たわる俺に聞く「身体、大丈夫か?」と…。
『俺の内臓が悲鳴をあげてる…痛ぇ…』
「鎮痛剤のむか?」
『のむ。 持ってきて』
鎮痛剤が手渡され、俺は鎮痛剤を水で流し込む。
『少しは加減しろよな』
「加減してるよ」
『………嘘だろ』
「シーツとか替えておくからシャワー浴びて来い」
『あ、あぁ…。そうする。』
俺はのそのそとベッドから降りてシャワーを浴びに行く。
腹が痛いし、腰もダルい…そして咬まれた脚も痛い。
汗を洗い流しスッキリすると、今度は腹が減ってくる。
タオルで頭をガシガシ拭きながらお風呂場から寝室に戻るとベッドは綺麗に整えられていたが草野の姿は無かった、リビングに行ってみたが草野はいなくて…
『どこいったんだアイツ』
暫くすると草野が牛丼屋の袋をぶら下げ帰ってきた、どうやら家の目の前にある牛丼屋に牛丼を買いに行っていたらしい。
「お前、腹減ったって言うんじゃないかと思って買ってきた」
『草野のくせに気が利くな。遠慮なく食うわ』
2人で牛丼食べて、腹が一杯になってベッドに寝転がる。
大した会話も無く、俺は草野の横で携帯を弄っていた。
静かな部屋で耳を澄ませば草野の寝息が聴こえてくる…俺は携帯を枕元に置いて、草野の背中に擦り寄った。
『俺…お前の事…ちゃんと好きだからな…』
俺の精一杯の甘えで、精一杯の愛情表現…恥ずかしくて寝ている時にしか出来ないって格好悪いけど、今の俺にはこれが限界。
ドキドキしながらフゥーっと深呼吸して目蓋を閉じた。
翌日、学校ではいつもの俺達。
目が合えば『見んな、キモい』身体が触れれば威嚇して、仲が良いとは思えない…そんな俺達の日常に戻る。
でも、俺達はこれでいい。
これが俺達。
仲良くなんて、2人きりの時だけでいいんだ。
これで上手くいってるんだと思ったら恋愛運の占いも◎で合ってるかもしれない、そう思う
体育の授業の為、更衣室で着替えようとシャツを脱いだ草野は隣にいた奴から「お前、背中どうした?引っかき傷すげぇよ?」と驚かれていたのを近くにいた俺は聴いていた。
草野はチラッと俺を見ると「凶暴な猫に引っ掻かれた」そう笑って答えていて、俺は誰が猫だと鼻をフンッと鳴らす。
一方、俺も歯型の付いた脚を見て友人から「脚、どうした?歯型ついてるけど」そんな問いかけに、草野をチラッと見て「躾の出来て無い大型犬に咬まれた」そう答えてやった。
「それはそれは、災難だったな」
と、草野に不意に声をかけられる。
顔を見れば、それはもう底意地の悪そうな笑顔で腹が立つ。
『ウザっ…』
こんないつもの毎日を幸せなんだと口には出せないけれど、心の中ではそう思っている。
。
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