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初めての… Scene立花
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日曜日の午後、母の買い物に付き合わされる俺。
母は男手があるからと、ここぞとばかりに米などの重たい物を買う。
レジに並んだ時にはカゴは山盛りで、会計の金額もけっこうなものだった。
母はお釣りと共に何かのチケットを数枚渡されていて、そのチケットは俺に手渡される。
母は店の入り口付近を指さして言った
「福引き、1回分しかないからアンタにあげる。 回しておいで」
指さされた方に目を向けると、小さな子供ばかりが並んでいて、そこに高校生の俺が並ぶのは気が引けた。
『何だよ、嫌だよ俺。母ちゃんが行けよ』
「いいもの当たってもあげるから、行っておいで」
俺はしぶしぶ子供ばかりの列に並び、順番を待った。
たかが福引き1回分、どうせポケットティッシュとかしか当たらないだろ、そんな事を思いながらガラガラと音を鳴らしたくさん玉が入った入れ物を回す。
皿の上にカンッと音を立てて落ちてきた玉の色を見ると赤い色をしていて
目の前のおじさんがベルを持ってカランカランと軽快に音を鳴らし、おめでとうと言って俺に封筒を手渡す。
俺は、たった1回分の福引きで遊園地ペアチケット引き当てたのだった。
それを見ていた母に
「あら、良かったわねぇ。最近帰りも遅いし、彼女いるんでしょ?誘ってあげたら女の子は喜ぶわよぉ?」
『…………』
彼女…。
彼女では無く、彼氏だと言ったら母はひっくり返るだろう。
しかし…これはどうしたものか、誘ったら…あの仏頂面のあいつでも喜ぶんだろうか。
デートになるんだよな、これ。
草野の家で過ごすのはいつもの事、2人で行くといえばコンビニかスーパー、たまに近くの牛丼屋とかラーメン屋だ、2人で何処かに出掛けるなんてしたことが無い。
俺はチケットをポケットに突っ込んだ。
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