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家に帰ってチケットを出し、チケットと睨めっこをする。
何て言って誘おうか悩んでいるからだ。
写真撮って、メッセージで送って軽い感じで『チケット当てたから行かない?』
いやいやいや、何かメッセージって残るし俺から誘った感が強くて嫌だ。
じゃぁ、明日学校に持って行って…
『当たったから一緒に行かない?』かな…
いや。
いやいやいや、学校でとかハードル高い。
誰が見てるかわかんないし、無理。
やっぱり無難に…
明日、草野の家に行ってからにしよう。
誰も見てないし聞いてない、それがいい。
俺はしばしの葛藤の末、納得のいく答えを導き出したのだった。
そして月曜日の朝がくる。
俺は早起きをして学校に登校する、別に学校でチケットを渡す訳でも無いのにソワソワしながら椅子に座っていると、草野が教室に入ってきた。
『よぉ、根暗』
「立花…お手」
『は?お手?何だてめぇ、俺は犬じゃねぇぞ』
「いいから、お手」
『お前…朝から喧嘩売ってんのか?』
ククッと草野は笑って「手、出せ」そう言い直したので、俺は仕方なしに手を出した、そしたら草野はポケットから紙切れを出して俺の手のひらに乗せたんだ。
『何これ』
「昨日、福引きで当たった」
何と驚くことに草野も同じ店で福引きを引いて、遊園地のチケットを引き当てていた。
俺は自分のポケットから封筒を取り出し、草野から渡されたチケットと自分のチケットを両手に持った。
昨日、どうやって渡そうとか悩んだ俺は何だったのだろう…。
「今週の土曜日な」
『お…おぅ…わかった、仕方ねぇから行ってやる』
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