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『動いてんのに立ち上がったら揺れるから恐いって』
俺は緊張を誤魔化す様に言った。
でも、草野が俺の手を握って
「隣に座らないと握れねぇから」
そんな事を言うから、俺の心臓がドクンドクンと凄い音で脈打っている。
「手…繋ぎたかったんじゃねぇの?」
『そんな事…言った覚え無いけど…』
「バス待ってるとき、手離れて寂しそうな顔してたから、繋ぎたいのかと思った。嫌なら離そうか?」
『…嫌…じゃ…無い』
見上げた草野が嬉しそうに笑っていたから、余計に照れてしまって、俺はまた視線を外に向けた。
「立花…こっち向けよ」
『何で』
「いいから」
『何だよ』
振り向いた時、俺の唇に草野の唇が重なる。
「恋人と観覧車といえばこれだよな」
『お前…馬鹿じゃねぇの』
「馬鹿とか言う割に、もう1回してって顔してる」
『どんな顔だよそれ』
「そんな顔」
『答えになってねぇよ…』
文句を言いながら、もう一度触れるだけのキスをした。
遊園地を後にした俺達は、適当な夕食を食べて、帰宅する…はすだった…。
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