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『兄ちゃん、お前を怒らせる様な事しちゃったか?』
ハル「………」
『ハル、ゴメンな。何か気に入らない事あるんだろ?』
ハル「怒ってる理由も解かんないのに謝らないでよ」
『そうだよな。ゴメン』
結局、何に怒っているのかも解らないし、話す気も無い弟をどうする事も出来ずに俺は何も言えなくなって『もう寝よう』そう言って部屋の明かりを消した。
お互いのベッドに寝ていたけれど、弟はモゾモゾと俺のベッドに潜り込んできて、きっと謝りたくは無いが許して欲しいんだろうと思い、俺は何も言わず好きにさせた。
弟は俺を抱える様に眠りについて、俺もそのまま目蓋を閉じたんだ。
月曜日の朝、なかなか起きない俺達を怒鳴りながら母さんが起こしにくる。
俺と弟はボーッとしながら階段を降りて、洗面台で並んで歯磨きをして、向かい合わせに朝ごはんを食べた。
昨日の態度とは変わって、今日の弟はいつもの弟に戻っていて昨日の喧嘩が嘘の様に穏やかな朝。
俺は学校へ行く準備を済ませ、家を出た。
弟が後から追いかけてきて「途中まで一緒に行こう」そう言うから、分かれ道まで短い距離だけど2人並んで歩いた。
少し歩くと草野の姿が見えて、俺達に気づいた草野が近づいてくる。
『何だよお前、待ってたのかよ』
「あぁ、一緒に行こうと思って」
『一緒に?気持ち悪。何企んでんだよ』
「企んでねぇよ。」
弟は俺達の会話に険しい顔で見ていた、俺は弟に『どうした?』と聞いたが弟は何も答えずに「先に行く」と言って1人で行ってしまった。
「弟、どうした?」
『あぁ、アイツ昨日から機嫌悪くてさ変なんだよ。反抗期かな』
「反抗期…ね」
『そうだよ。昨日なんて俺に噛み付いてきてまだ痛てぇわ』
ほら、と咬まれた首筋を見せると草野は「ふぅん」と噛み痕と指で押した。
『痛っっ 押すなよ、マジで痛いんだから』
「そうかそうか、痛いか。じゃぁ、家で手当てしてやる」
『は…?手当て?』
草野はそのまま俺の襟首を掴んで歩き出す。
部屋に着いた草野に手当てと言って噛み痕をさらに咬まれ、傷はより酷くなった。
消毒をして、絆創膏を貼ってはくれたが、手当てをしてくれるなら何故また噛んだのか意味が解らず、俺は激怒して草野の腕に噛み付いた。
幸せを感じた土曜
困惑の日曜
そして、激怒した月曜の朝
今日も忙しく時は過ぎていく。
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