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暫くゲームをして、昨日の約束通りケーキを買いに行った。
たっぷり莓が乗ったホールケーキを買い、部屋に帰ってきた俺達は向かい合わせに座りケーキをテーブルの真ん中に置いた。
草野が皿に取り分けようとしたのに『このまま食べようぜ』そう言って切られていないケーキにフォークを突き刺す。
「お前…行儀悪いな」
『いいじゃん、どうせ俺ら2人で食うんだし、何か食べ方が贅沢じゃん』
「まぁ…いいけど」
苺のケーキをくちいっぱいに頬張ってガツガツ食べる俺を草野は笑って見ていた
『何だよ』
「何が?」
『何で見てんの?』
「あぁ、旨そうに食うなって」
『そりゃ、旨いもの食ってるからな』
「ほんと、何か…犬みてぇ」
『は?犬?俺は人間だっつーの』
再びケーキを食べ始め、旨さにホッコリとしてる俺に草野が何気なく言った
「ほんと、お前のそーゆー所…」
『あ?何だって?』
「…何でもねぇよ」
何か言った気がしたが、草野は聞き返してもそっぽを向いたままで、何を言ったのか解らずじまいだった。
「お前、今日も泊まっていくのか?」
『ん?いや、帰る。帰ってケーキ食うんだ』
「…今…ケーキ食ってるのに?」
『クリスマスは毎年家族でチョコレートケーキ食うんだ、木みたいなブッシュド…なんとかってやつ』
「ブッシュドノエルな」
『あ、そう、それそれ、そんな感じの名前のケーキ』
ひとり暮らしをする草野に何となく家族の話は気まずいかと俺は咄嗟に話を変えた。
『そういえばさ、草野は年越しってどうすんの?』
「…どうすんのって、いつもと変わらない」
『いつもと変わらないって? ここにいるの? 帰ってこいとか言われないの?』
「あぁ、家から?まぁ…言われるけど、こっちにいる方が気が楽だし」
『1人で寂しいなら遊びにきてやろうか? 初詣とか行く?』
俺がニヤニヤしながら言ったら「別に寂しくねぇよ」と、頭を叩かれた。
家に帰り、毎年食べているブッシュドなんとかを家族で食べていると、母がおもむろに話し出した。
「今年の年越しはおばあちゃんの家に行こうかと思ってるの」
母が言うには31日の朝出発して年越しをおばあちゃんの家で過ごすらしい。
おばあちゃんの家は車で片道3時間の距離で、別に約束はしてなかったけどあいつと初詣なんて行けないよな、そんな事を思った
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