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着々と準備は進み、あっという間に宿泊学習の前日になると、クラスの男達のギラつきも、よりいっそう強くなった。
皆が沸き立つ中、1人仏頂面で楽しくない顔をした奴がいた、立花だ。
宿泊学習の話が始まってからというもの、俺の周りには常に同じ班の女がいて、それを眉間に皺をよせて見ている、ヤキモチかと思い、家で
「ヤキモチ妬いてんのか?」
そう聞いても
『な訳ねぇだろ』
そう答えが返ってくる。
素直に妬いてるって言えば可愛げもあるのに、素直じゃない。
バスの座席も俺の隣をあっさり日比野に譲っていた。
目的地に向かうバスの車内では、隣に座る日比野が
「車酔いしたかも~」
なんて甘い声を発していたが、俺は無視して寝たフリをしていた。
いつもは煩い立花も何故か大人しくしていて、何だか様子がおかしかった。
「立花、ほらっこれでも食ってろ」
『何だよ』
「ガムだよ。バスに酔ったんだろ?」
『…サンキュー』
俺が立花にガムを渡しているのを見た日比野が
「私も頂~戴」
なんて可愛らしく言って俺にベタベタ触ると、バスに乗るクラスの男達は、只でさえ煩いのがやいのやいのと、より煩くなった。
この時、クラスの噂は日比野は草野が好きで宿泊学習で告白するらしい、そんな噂があった。
俺にはどうでも良い事だったけど、常に張り付いている日比野には正直うんざりしていた。
日比野が張り付くたびに、立花は険しい顔をする。
ヤキモチは…まぁ、嬉しい。
だけど日比野がいると近寄ってこないのは困る。
いつもの憎まれ口も、腹は立つが、無ければ無いで調子が狂うし、小野寺には
「立花やめて、日比野と付き合うのか?」
なんて言われる始末…。
立花と付き合ってるなんて公言したわけじゃないから、俺はノーコメントだったが、それがさらに立花を不穏な空気にさせてたなんて俺は知らなかったんだ。
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