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部屋に戻ると、そこに草野の姿は無くて、小野寺からトイレから戻った後帰った事を聞いた。
「草野と何かあった? あいつすげぇ機嫌悪くてさ、喧嘩でもした?」
そんな問いかけに俺は何も答えられず、溜息をついた。
「何があったのか知らないけど、ちゃんと仲直りしろよ?」
そう言って小野寺は俺の肩を叩いた。
俺は、到底騒ぐ気にもなれず、皆に謝りお金を置いて先に帰らせてもらった。
帰り道、草野のマンションの前を通ったけれど…部屋の明かりは消えていて、謝る事ができずにそのまま帰宅した。
帰り道も、家に着いてからも、考えるのは草野の事ばかりで…
メールの画面を開いては消して…
だって、メールして返事こなかったら余計ヘコむし
明日…
明日学校で、直接謝ろう…
そんな事を思いながら俺は瞼を閉じた。
いつもは気にもしない時計の音が、今日はやけに大きく聞こえる。
瞼を閉じても、なかなか寝付けなかった。
一睡もできなくても、当然&…朝はくるわけで
どんなに気まずくて学校に行くのが怖くても、母ちゃんは休む事を許してはくれない。
重たい足を動かし学校へ向かうしかない。
大丈夫…謝れば許してくれる
そう自分に言い聞かせて、学校までの道程をどうやって謝ろうかだけを考えて歩いた。
教室に着いて、席に座ったら草野が隣に座る…そしたら、俺が「ちょっといい?」って教室を二人で出て、あんまり人が来ない廊下で謝って…
なんて頭でシュミレーションをした
なのに…
現実はそんなに簡単じゃない
学校に着いて、下駄箱で草野に遭遇…
俺は準備していた言葉をここで言わなきゃならない…
『あ…あのさ…ちょっといい?』
バッチリ目も合っていた
絶対聞こえてた、それなのに草野は無言で靴を上履に履き替えて行ってしまった
まるで俺なんか居なかったみたいに無視されて、泣きそうどころかむしろ笑えた。
何だよ、俺…そんなに怒らせるぐらい悪い事したかよ…
教室でも草野はずっと顔を伏せたままで、話しかけられる感じじゃなかった。
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