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準備した言葉は何の意味も無かった
だって聞いてもくれないんだから
俺が悪いのは…解ってる
それでも…ゴメンぐらい言わせてくれてもいいじゃん。
俺はヘコんで机に突っ伏した。
そんな俺に、更なる追い打ちがきた
「あ〜、入学してだいぶ経つし、今日席替えするから」
マジかよ…
席離れたら、もう謝るキッカケすら作れない
どうしよう
そんな俺の気持ちに関係なく、クラスメイト達はガヤガヤと騒ぎながらクジを順番に引いていく
「立花〜早く引けよ〜」
と、坂上先生は俺を呼ぶ
俺は息を飲み、スッとクジを引くと俺の席は窓側で隣の席と前の席が空欄になっていた
俺は心の中で「頼むから、空欄のどっちかを草野が引きますように」そう願った。
想いは強く願えば通じる、よく言ったものだと思う。
草野が引き当てたのは…隣の席だった
俺は小さくガッツポーズなんてしたのに…
草野は俺をチラっと見ると
「小野寺、悪い席変えて」
そんな言葉に耳を疑った。
小野寺の持っていた番号を見ると、それは俺から随分離れたら席で、話かける事もないし、もちろん転がったシャーペンも拾ってもらえないくらい遠い…
何でだよ…
そんなに俺の隣は嫌だって言うのか?
もう…
俺の事なんて…
好きじゃないって…?
喧嘩した原因は元はといえば草野が原因なのに…俺が…ちょっと怒らせたら、もういらないって?
あんまりじゃん…
俺はグッと涙を堪えて拳を握った。
だけど…俺の涙腺は限界だったみたいで、ボロボロと溢れる涙は止められず、やっと出てきた言葉は
『先生…腹痛いんで、保健室行ってきます』
だった。
泣き出した俺に、クラスメイトは何があったと心配し、先生は泣くほど腹が痛いのかと心配した。
教室から出た俺は、泣いた俺はバカみたいだと自分で自分を責めた。
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