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俺は鼻を啜りながら歩き、なるべく人が来ない様な階段に腰を降ろした。
あぁ…終わりって呆気ないもんなんだな…
そう思ったらまた涙が溢れてくる
俺は膝を抱え、うずくまるように座った
暫くすると、足音が聴こえて人の気配が近付いてくる
俺は泣き腫らした顔を見られたくなくて、ギュッと腕に力を入れて顔を隠した
足音は俺の目の前で止まり、次の瞬間、頭に衝撃が走った
『痛ってぇっ』
見上げるとそこには草野がいた。
「こんな所にいたのか、バカが…」
走っていたのか草野は息を切らしていて、ハァっと息をついて俺の目の前に屈む。
俺は掌で顔を覆い隠し
『何しに来たんだよ』
そうたずねた。
もう俺の事なんか好きじゃないくせに…
もう終わりなのに…
何でここに居るんだよ…
「可愛くねぇな」
『悪かったな可愛くなくて』
「何で泣いてんの?」
『泣いてねぇ』
「嘘つけ、手…よけてみな立花…」
『うるせぇな…泣いてねぇって言ってんだろ』
無視してた癖に…
席も…俺から遠い席を選んだ癖に…
何で…そんな優しい声で名前呼ぶなよ
「立花…」
『うるせぇな…どっか行けよっっ』
本当は、今が謝るチャンスなのに…
結局俺は可愛くなくて、憎まれ口しか叩けない
ゴメン…その一言が言えないんだ
『行けよっっ』
もう掌で涙なんか隠せてなかった
「やっぱり泣いてんじゃん」
『…っ』
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