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初お泊まり 3
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影山が部屋の扉を開けると、日向はその辺に転がしていたバレーボールを触っていた。
しかし影山に気付くとすぐにそれを手放し、途端に笑顔になる。
日「おー、影山っ!こっち!こっち来て!座ってっ!!」
と、ベッドにもたれる自分の隣をバシバシと叩いた。
影山がトサリと腰を下ろすと、日向はベッドに上がり影山からタオルを奪うと、影山の髪をガシガシと拭いていった。
日「へへーっ、さっきのお返しだ!気持よかったから!」
なんて、日向は上機嫌だが影山は気が気でない。
自分がさっきやった事とはいえ、立場が逆になると案外恥ずかしい。
けれど、この時間が心地よくて恥ずかしさはすぐに吹き飛んだ。
日向は影山の髪を拭き終えると、素早くベッドから立ち上がった。
日「これ!さっき影山が風呂入ってる間に見つけたんだけどさ…。白鳥沢のDVD!」
目を輝かせて見よう見ようと訴える日向が、なんだか微笑ましかった。
そんな流れでDVDを見て、見終わる頃には時計の短針は23時を回っていた。
「いい時間だし、寝るか」と影山が問うと日向の動きが一瞬止まった。
しかしすぐに「おう!寝よーぜ!」と返ってきた。
パチリ
電気は常夜灯だけを残し、部屋を静寂が包む。
お互い眠れるはずも無く、自分のやけに大きい心音を聞いていた。
日向は自分用にひかれた布団。
影山はベッド。
日向はこの状況に残念なような、安心したような。
やっぱ手ぇ出してこねぇのか、と複雑な気分だった。
先に沈黙を破ったのは日向だった。
日「か、影山…ほ、ホントに寝たの…?」
暫く黙っていたせいか、思ったより掠れた声が出た。
影「…まだ、起きてっけど」
影山が返答するものの、日向から続きの会話が聞こえない。
呼んだだけかよ、そう思ったその時…
ガサゴソと自分の布団が音を立て、外の空気が入ってきたのがわかった。
影「っ!おい日向ボゲっ!何して…っ」
影山が慌てて振り向こうとすると、背中に顔を埋める日向がいた。
日「…とに…、の……?」
それは本当に小さい声だった。
そのため影山が「あ"?聞こえねぇよ」と耳をそばだてると、日向がまたゆっくりと口を開いた。
日「ほんとに…、寝るの…?」
上目遣いで、耳まで赤らめてこちらを見る日向。
影山は、自分の中で何かが切れる音を聞いた。
影「クソッ…」
小さく呟いてからの、影山の行動は早かった。
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