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あの日々からの、一歩 3
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バタンっ
ユニフォームから制服に着替え、部室のロッカーを閉める。
本当に今日はついていない。
まさか鍵当番を、あの金田一に押し付けられるなんて思ってもいなかった。
先輩達ならともかく、よりによって今日。
金田一に。
つくづくついていない。
メンバーが着替え終わるまでベンチに座っていたが、そういえばロッカーに置き傘があるかも、と探した。
しかし、前回の雨の日使って家に置きっぱなしだった事を思い出す。
自分の失敗であれ、金田一のせいであれ、国見の不機嫌具合は今までの軍をずば抜けて今日がピークであった。
下駄箱で靴を履き替え、今日はもう何度目かもわからない溜息をつく。
国見の機嫌の悪さと比例するように、雨もまたピークに達していた。
それはもう、雨で目の前が白む程だ。
…ないよりはマシでしょ。
部活で使ったタオルを頭に被り、家までの道のりを覚悟して学校を後にした。
まだ青城の門を出て数歩。
それなのに靴に雨水が浸水し、靴下も水を吸って気持ち悪い。
ただでさえ重い足取りが更に重くなる。
青城の白ブレザーも雨に濡れ、色が濃くなって今じゃ灰色だ。
近くの川が増水してゴウゴウと音を立て、公園の地面も浸水していた。
これ警報出てないとか、バカじゃないの…。
そう考えた矢先、ふと目に止まってしまったのだ。
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