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あの日々からの、一歩 7
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影「あの頃は…わ、悪かった。お前が俺を嫌いでも…、俺は国見が…っ、す、好き、だった…!」
沈黙に耐え切れず、影山が口を開いた。
まず国見は、影山が謝ったことに驚いた。
だって謝りたいのはこっちの方なのに…。
しかしそれより…、影山が俺を…好き???
ずっと自分が言いたかった言葉を、簡単に言ってしまう影山。
こんな都合の良い話は無い。
そんなのありえないと思ってた。
俺ばかりが、お前を追いかけてると思ってた。
―――――――――――嬉しい。
素直にそう思えた。
情けない事に嬉しすぎて涙が出る程だ。
影山は気恥ずかしさからか、目線をこちらから外している。
口元を手で覆って俯いて、この感情を噛み締めた。
影「くに…み?泣くほど…、嫌、だよな…。悪ぃ。俺帰る…っ」
辛そうに顔を歪め、今にも泣き出しそうな声を振り絞り、立ち上がろうとする影山。
国「ダメ、影山…。俺の話も、聞いて」
どうしても泣いた顔を見られたくなくて、俯いたまま影山の雨に濡れて重たくなったジャージの裾を掴んだ。
すると一瞬躊躇う様子があったが、またその場に座ってくれた事に安堵する。
怖いけど、言わなきゃ…。
こいつに、伝えよう…
俺の気持ちを。
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