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あの日々からの、一歩 9
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国「…だから、もう泣くなよ」
つ、と国見の指先が影山の目元を這う。
俺も、泣いてたのか…。
自覚すると、それはますます止まらなくて。
泣き止もうにも、次々と目からそれは溢れ出す。
ちゅ…ペロ
影「!!おいっ、んなもん汚ぇ…っ」
突然、瞼に柔らかいものが当たって、ヌルリと目の縁を舐められた。
すぐに状況が把握できて、一気に恥ずかしくなる。
国「涙って綺麗な成分しか含まれてないって知らない?それに、影山が汚いとか…ないから」
涙ひと粒ひと粒を、国見の舌が掬い取っていく。
そうしているうちに、いつの間にか影山の涙は止まっていた。
影「くに…み…っ、涙、止まった…っ!恥ずかしいから、もう、や…っ」
―――――――――――――影山、照れてる…。可愛い。
渋々、最後にもう一度瞼にキスを落とすと少しだけ離れる。
すると影山はほっとしたのか、肩の力が抜けるのが目に入った。
…安心なんか、させてやんないけど。
国「影山、キス してい?」
雨の雫が影山の髪先から、滑り落ちる。
影山の頬を両手で包む様にして、額をくっつけて擦り寄る。
雨に濡れて冷たい国見の手が影山の頬に触れて、そこから熱を持つ。
真っ赤な顔で少し迷って、俺の目を見て、また逸らす。
そのうちおずおずと頷こうとしているのが見えたけど。
―――――ごめんもう待てない。
影「っン」
国「影山…、俺と 付き合って下さい」
コクン
今度は、しっかり頷いてくれた。
嬉しくて、愛しくて、俺は影山をそっと抱き締めた。
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