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Look at me!!! 9
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手持ち無沙汰に足元の小石をジャリ、と踏んだ。
わかってしまった事で、どうしようもなく浮かれている自分がいるのだ。
岩「まぁ、一応あいつの幼馴染だからな。…これからも仲良くしてやってくれな?」
にか、と歯を見せて笑う岩泉に影山は顔を少し赤くして「…ウス」と答えた。
暫くすると、遠くの方からこちらに向かってくる人影が見えた。
…どんな顔をして、会えばいいだろうか。
いつも、俺ばかりだと思っていた。
でも……、そうじゃなかった。
貴方に会うことが、こんなにも嬉しい。
及「岩ちゃあぁあああ〜〜んっ!!待ったぁ?」
岩「待ってねぇ離れろキモい」
着いてすぐ岩泉に抱きつく及川。
それを心底うざったそうに、べりべりと引き剥がす。
及「飛雄が岩ちゃんとデートなんて、100万年早いんだからねっ!!」
べぇー、と舌を出して及川が言う。
その隣りで岩泉が人差し指を口に当てて、"しぃー"とジェスチャーを送ってくる。
影「…はい」
その光景が、微笑ましくて。愛しくて。
及「何…、その笑顔…っ、あっ!!岩ちゃんっ!飛雄に何か言った?!もーっ!ナイショって言ったじゃーん!!…って、あれ?!」
及川が勘付き、岩泉の方へ振り向いた時には既に岩泉は走り去っていた。
さすが、青城エース。
速い。
もう岩泉の姿は結構遠くにあった。
影山も、それを追って及川の横を通り抜けた。
及「ちょっ、飛雄も行っちゃうの?!てか、何言われたの!!」
後ろから及川の声が追ってくる。
キュ、と足を止め、振り向いた。
焦ったような及川の顔があって、自分が少し追いついたような気がしてしまう。
影「俺…、及川さんの事しか見えませんよ」
それだけ告げて、また前を向いて走り出す。
何であんな事言ったんだ…。
クソ恥ずいじゃねーか…っ
けれど、何だか気持ちは晴れ晴れとしていた。
むず痒いような、何とも不思議な感覚。
及「…はっ」
面食らった及川だったが、すぐに影山を追いかけその前を行く。
追い抜くときに、及川は影山の方を向き挑発的に言ってやる。
及「飛雄のくせに、生意気。及川さんに勝てるわけ無いでしょ。バレーも…、気持ちも…。」
プイ
及川はすぐに前を向き、一気に加速していく。
「待ってよ岩ちゃーんっ!!」
「うっせぇ付いてくんなボゲがっ!」
そんな声が、朝焼けの街に響いた。
日が昇り始めた今、アスファルトに三人の影が短く映った。
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