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【黒月】風邪っぴきlullaby 1
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⚠ATTENTION
・黒尾社会人(24)×月島大学4年(22)設定
黒酢納豆様リクエスト作
黒月
黒尾さんと一緒に住み始めて、4度目の冬が訪れようとしていた。
一足も二足も早く、社会人になってしまった黒尾さんは付き合い始めた5年前とは中身こそ変わらないものの、雰囲気が随分大人っぽくなったように思う。
僕を甘やかす癖は未だ健在だ。
しかしながら社会人と学生とでは、なかなか差が大きい。
なんて言うか大人の余裕、って感じで。
実際このマンションの家賃だって、黒尾さんの方が多く払っているようだし…。
そこに何となく引け目を感じていた僕は、せめて仕事の邪魔にならないようにと、人知れず心に決めていた。
『関東地方を中心に午後からは雨が降る予報です。お出掛けの際は傘を持って…―――――』
雨か…。
洗濯物、部屋干しにしてから行こう。
黒「昼から雨か…。蛍、大学終わるの何時?」
経済新聞を片手に、トーストを口にしながら月島に問い掛けた。
一方の月島はキッチンで二人分の弁当の準備をしていた。
月「えっ…と、何もなければ15時くらいには…。あ、1人で帰れますから。家から大学、近いですし」
月島の弁当箱より、一回り大きな弁当箱へだし巻き卵を詰め終わる。
漸く完成だ。
黒「蛍ちゃんが濡れちゃわないか鉄郎心配なんですけど〜」
ぶーぶーと文句を垂れ、席を立つ。
皿を片手に流しまでやってきて、後ろから大きな腕が巻き付いてきた。
月「ちょっと…!重いです!!それより、時間。…いいんですか??」
テレビ画面に目を向けると、そのデジタル時計は7:45を示していた。
黒尾は「やべ」と呟き、ドタドタと洗面所へと駆け込んで行った。
その間に月島はキュ、と弁当箱を包み黒尾の鞄へと入れてやる。
玄関にそれを持って行き、革靴を履く黒尾へと渡す。
黒「ありがと。行ってくんね♪………あ"っ!!忘れもん!!」
月「はぁ?!何忘れたんですか?!取ってくるんで…………ッん!」
慌てて廊下を戻ろうと踵を返した瞬間、片腕を肩に回され引き寄せられた。
……………力強い腕とは裏腹に、優しい唇。
ふにゃりと力が抜けそうになる手前で、それは離れていってしまった。
黒「じゃね、蛍。…って、マジで時間やべぇ!!」
月「い…、行ってらっしゃい…っ」
パタン
ドアが閉まり切ってしまうまで、黒尾から目線が離せなかった。
…っ、バカじゃないの??
キスが忘れ物とか、ベタ過ぎデショ。
着ていたタートルネックのセーターの首元を手繰り寄せ、鼻くらいまで伸ばす。
自分の照れた顔を見る人など、いないのだけれど。
また1本取られた。
それが癪で。
それでもやっぱり今日も実感してしまう。
僕は黒尾さんが好きなんだ…………―――――――――。
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