アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
仮装4
-
そして俺が引いた紙には
[バニーボーイ]
「バニー君…?」
なんだそれ。何かの漫画のキャラクターだろうか。
狼狽えることができる程の情報量も無く、戸惑ったまま更衣室に入ると、
「うわ…本当いい趣味してんな、守さん…」
そこに置かれていたのはかなり短い黒のショート丈のサスペンダーパンツに、胸下位までの長さしかない白地で黒いボタンが付いているトップス。
ボトムには付属で白いウサギの尻尾が付いており、それらの塊の横にはウサギの耳がこれ以上無いほどに強調されて置かれている。
「まだ行き切ったコスプレの方がマシだよ…」
女装なのかすら分からないこの格好はいかがなものか。
しかし、躊躇している時間はない。
置かれていたものを順に着てゆき、最後にウサギの耳を頭につける。
「鏡が無いから自分の姿すら見えないって、拷問だな…」
しかし、鏡で自分の姿を見てしまったらここから出られないのも事実である。
その為に鏡は設置されていないのだとすれば、益々守さんの掌の上で転がされている感は否めない。
まぁ、企画の時点で既にそれは否めないのだが。
「皆よく行ったよ…こんな状態で!!」
そして俺が更衣室の扉を開けると、その瞬間歓声が上がり、その後姿を見た途端に一瞬の沈黙に包まれた。
「…やべ、ハズした?」
俺の一言をきっかけに、堰を切ったように
束の間の沈黙の後、競技場は爆発的な歓喜の声に包まれた。
「裕哉…俺には刺激が強すぎるわ…それ」
「肌白っ…でも腹筋やべぇ…」
「あれは…凄い破壊力だね〜…」
ちらほらと色々な声が聞こえてくる。
何はともあれ今は競技中だ。持ち前の足の速さと瞬発力で障害物をくぐり抜け、ぶっちぎりで一位を獲得した。
一位のカードを持って貴澄達のところに戻ると、何故かみんなして顔を赤く染めていた。
「何でみんな顔逸らすの?俺、そんな酷い?」
「…」
三人は何も答えなかったが首を横に振っていたので、そういう訳でも無いのだろうか。
俺のレースが最終だったのでこのまま着替えに入ることになる。
着替えに三人を誘うと、リュウがちょっと待って、と声を掛けた。
「せ…折角だしみんなで写真撮ろうよ!ホラ見て、高校生っぽくセルカ棒持ってきたんだ〜」
「写真?いいね!!撮ろうぜ!」
そうして四人で何とも奇抜な格好のまま写真を撮ったのだが、その写真撮影の風景を周りの生徒達に撮られまくっていた事を、俺達は知らなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
197 / 217