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side亜嵐
俺は昔から体が小さくて、女顔だった上に、両親に言われ髪を伸ばしていた為に度々同じクラスの男子から揶揄われていた。
「やーい女男!」
「お前ほんとに男なのかぁ?」
「証拠みせろよ!証拠!」
「やめてよぉ…!鞄返して!」
親の金で入った小学校は、俺と同じレベルの金持ちがゴロゴロいて、それ故に浮ついた奴らが多かった。当時気が弱かった俺は反抗なんてできずただされるがままになっていた。
自分がいじめられていることなんて、親には死んでも知られたくなかった。
家では気丈に振舞って、普通に暮らした。
あの日までは。
あの日、いつものように家に帰ろうとするといつものいじめっ子たちが前に立ち塞がった。
あぁ。またか。なんて諦めたように対峙した。
でもこの日はいつもと違ってた。
いじめっ子たちは俺の腕を掴み、ズルズルと古びた小屋に連れ込んだ。
「な、なにするのっ…離してっ、離してよっ!」
「ウルセェ!お前がホントーに女じゃねぇか、俺が確かめてやるよ!」
「ほら、さっさと脱げよ!」
「や、やだっ!やめ…」
剥ぎ取られていく衣服。只々体験したことがない恐怖にすくみあがる。
「うわっ…肌しっろ…」
「やっぱ女なんじゃねぇのー?」
「大事なのはここからだぜー!」
とうとう下着に手がかかり、俺は裸体を彼らに晒した。
「あっはは!やっぱつくものついてんじゃねぇか!」
なんで。
「ほんとだ!いや、もしかしたら偽物かもよ!」
どうして。俺が。
「いえてる!ひゃはははは!」
ただ、普通に友達を作って学校に通いたかっただけなのに。
俺がなにしたっていうんだ。
「女みてぇによがったりしてな!」
屈辱。屈辱。屈辱。
「…っざけんな…」
「あぁ?なんていったんだ?」
「聞こえなかったぁーもーういっかい言ってくださーい!」
ひゃははは、と笑い声がむかつくほど狭い部屋に響いた。
「ふざけんな、って言ったの。もういいでしょ。わかったら僕は帰る。そこ、邪魔だからどいてくれないかな」
「な、お前そんなこと言っていいと思ってるのかよ!女男のくせに、っ!」
ガツ、と頬に熱い痛みを感じる。
すぐ暴力に走る。
なんで僕は今までこんな奴らに。
「気が済んだ?じゃあね。」
振り向くことなく、帰路に着いた。
両親は赤く腫れた俺の頬を見て、慌てた様子で手当てしてくれた。
手当てが済み、自室に戻り俺は机からハサミを取り出す。
さようなら。俺。
ハサミを自分の方に向け、勢いよく振りかざした。
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