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想い
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俺が亜嵐に会ったのは、今から大体1年ほど前。
俺たちは、家柄と顔のこともあり、揃ってSクラスだった。
永瀬と成宮、名簿で前後。
話しかけてきたのは、亜嵐からだった。
「よろしくねぇ〜!永瀬くん!」
人当たり良さそうな笑顔で話しかけてきた、亜嵐は、今より少し幼く、丸くて大きい目が、白い肌によく映えた綺麗な少年だった。
思えば、その時。
亜嵐が俺を見て、話しかけてきた時。
その時俺は恋をしたのかもしれない。
その後、生徒会選挙…人気投票選挙により生徒会に選ばれ、亜嵐と共に役職につくことになった。
亜嵐のことを知れば知るほど、彼には魅力があった。
彼の過去にあったこと、人を愛することができないと、彼が俺に話してくれた。
誰を抱いていても、そこに愛はないと。
見た目と裏腹に彼には闇があった。
それすらも愛おしく思えたのは恋は盲目、といったところだろうか。
いつか、彼が本当に人を愛することができたなら
たとえそれがどんな相手でも、俺はそれを応援しよう。
やっと芽生えた愛情ならば、なにも言わずに育ててやろう。
俺の恋は報われない。
でも、俺の心は報われている。
叶わない恋は、決して不幸ではない。
嗚呼しかし、願わくば。
彼の心の闇と共に俺の心を消してはくれないか。
I am in love with you .
(あなたを愛してる。)
前を行く彼の後姿でさえ、どうしようもなく愛おしいんだ。
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