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連なる
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「またか…」
寮の郵便受けに入っていたのはもう見慣れてしまった薄紫の封筒。
中には熱烈で強烈な愛のメッセージが認められている。
これが果たして愛と呼べる代物なのかはわからないが連ねられている文章はおそらく書き手にとってはそういうものなのだろう。
「うわ、待って待ってほんと無理だわこれは」
中に同封されていたのは爪だの何だのとよく「恐怖!ストーカー実録」
みたいなそれこそ訴えたら必ず勝訴するレベルのものだった。
「ちょっと本格的に構えないとそろそろやばいかなぁ…」
重たい愛は構わないけれど、それは直接あってこそだと思う。
「しかもなんか…凄え既視感…まさか、アイツじゃねぇだろうな……」
数年前も同じようなことがあった。
思い出すことすら億劫な最悪な事件だ。
また前のように関係ない人を巻き込むわけにはいかない。
この学園は良くも悪くも大事な人が多すぎる。
だがそうも悠長に構えてはいられない。文化祭が始まってしまう。
人で賑わう文化祭では行動を起こしやすい。
早いうちに不穏な芽を摘んでおかないと。
手紙を一度鞄にしまい、裕哉は忍の待つ自室に戻った。
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