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「おっはよ〜」
「おはようさん。朝からえらい気ぃぬけとんなぁ」
「いろいろ動画見てたらすぐ時間たっちゃってさぁ、2時半寝だよ。3時間半睡眠笑」
「アホちゃう?笑」
「一寸寝るから隠してきすみん…」
前の席の貴澄に声をかけ、机の上に頭を突っ伏して寝る体制に入った。
………よ
なんて言った?悪い、聞き取れない
…きっと……よ
もっとちゃんと話してくれよ
大事なこと、言ってるんだろ
【僕のこと、きっと君は忘れないよ】
ガタァアン!!!!
「!?」
周りの視線が突き刺さる。
今は授業中らしく、クラスの全員が此方を見ているのが伝わる。
「ゆ、裕哉…?」
心臓の音が五月蝿い。
冷たい汗が背中を流れていく感覚がある。
繕わなければ。
装わなければ。
飲まれる。思考があいつに攫われる。
「あ…やべ…寝ぼけてた」
少しずつみんなの顔が緩む。
ポツポツと笑いが起きていく。
「お前なぁ、高野。寝ピクにもほどがあるだろう」
「…すみません」
寛容な先生が冗談交じりに揶揄う。
どうやら俺は今笑えているらしい。
「裕哉お前勢いやばかったで」
貴澄が笑いながら此方を振り返る。
「裕哉…?お前、顔真っ青やぞ」
一転して心配そうな顔で見つめられる。
「あぁ…嫌な夢を見た…」
夢…違うな。
これは記憶だ。
きつく蓋をした筈の記憶だ。
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