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ご褒美、ってことで
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巻き込んで、って何だよ。
別に巻き込まれたわけじゃない。
どうしてあんな悲しい顔をするんだよ。
まるでお前が悪いみたいじゃないか。
「裕哉、悲しそうだった、ね」
「あぁ…」
「巻き込んで、って俺が勝手に声掛けただけ…なのに」
「…お前さ」
凛也に腕を強く引かれる。
勢い余って抱きしめられているような形になる。
慌てて離れようとするも、凛也の力は強くて離れることが出来ない。
「りん…っ」
「俺、さっき凄え焦った。…お前が、傷つけられそうなところ、見て。確かに裕哉は悪くない。だけど、だけどさ」
顔が見えないから凛也がどんな顔でこんな事を言ってるのかわからないけど、震えてる凛也の体から、それが真剣で、本気で心配してくれている事を痛いほど伝えられた。
「だけど…もう少し自分のこと大切にしろよ。…あいつのことだけじゃなくて、さ」
やっと離れた凛也は凄く優しく笑っていた。
そうだ、まだ俺何も言ってない…
「ありがと…助けてくれて」
「ん。…そうだなぁ、じゃあご褒美ってことで」
そう言って凛也は俺の前髪を掻き上げて、額に軽くキスをした。
「えっ…?」
「…足りないか?」
俺は自分の顔が真っ赤に染まっていくのを感じる。
「な、なにしてんだよお前…っ」
「だから、ご褒美?」
此奴、こんなキャラだったか!?
でも何故だろう
たかがキス程度で俺、すげえドキドキしてる…?
「っ、はお前…凄え顔してる」
そう言って俺の髪を撫でてクシャクシャにしてから凛也は
「それじゃあ、行くか」
「え?行くって…何処に?ちょ、待てって!」
おれの質問には答えないで1人先行く凛也。
なんなんだよ、此奴。くそ、調子狂う…
*
「あんな顔すんなよな…可愛い過ぎ、だろ」
良く理性が保てたと褒めて欲しい。
まだ手に残る髪の毛の感触が唯ひたすらに愛おしかった。
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