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待てよ
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「さぁて?君は、どういうつもりなのかなぁ?」
「どういう…つもり?」
奴を引きずり、外の人気のない場所まで連れてきた。
どういうつもりかと問いただしても男は全く何を言っているのかわからないという表情をする。
それがいちいち癪に触る。
俺の友達を傷つけて置いて、それを全く気にしていないのか?
「まぁ、どういうつもりにせよもう俺に近づかないでくれるかな?」
それでも冷静を保ちつつ、冷ややかに告げる。
「なんっ…そんなの、嫌だ。僕は、君が好きなんだ。僕は君が全てなんだよ?どうして、僕を受け入れてくれないの?」
どうして、受け入れてくれない?
「どうして?…お前は、俺のどこがいいわけ?顔?それとも、学力?…俺はお前が俺の事を全てだと、好きだということの方が不思議で仕方ない
俺がお前の全てだって?
冗談じゃないぜ。
お前はそんなにつまらない人間なのか?
俺のことを好きでいても、幸せになんてなれない。」
…そんなことで俺の大切な友人を傷つけないでくれよ。
男は俺の話を聞きながら、驚いたように顔を上げた。
「どうしてそんなことがわかるんだよ!!僕が好きなのは君の全てだ!!!」
「全てじゃないだろ。お前は俺のことを表面的にしか知らない」
「っ、それでも!!」
男は俺の両手首を掴み、壁に抑えつける。
勿論、振り解けない強さではない。
然し、そうする気も無かった。
「十分だったんだ…!!好きになるのに…!!外から見てるだけで!!好きになる理由は十分あった!!!確かに、僕は君の内面の半分も知らないかもしれない!でも、それでも好きになったんだ!!どうせ僕には知り得ない君の全てが欲しかった!!!!」
必死に訴えかける男の姿は、それなりに格好つくかもしれない。
だがそれが亜嵐に襲いかかっていい理由にはならない。
…でも結局、その理由を作ってしまったのは俺自身だ。
ここまでの行動力があるなら、もっと違った方法で俺に伝えてくれれば、俺もそれなりに返してあげる言葉があったのかもしれない。
どうして、好意がここまでねじ曲がってしまうのか。
でも少しだけ羨ましいよ。
どういう形でも愛情を吐き出せることが。
俺は恐くてそんなことも出来やしない。
俺には….
「ねぇ…裕哉から離れてくれない?」
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