アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
巫山戯るなよ
-
「ど、うして?」
なんで、お前が
「どうしてって…まぁそうだよなぁ?必死こいて隠してたらしいしな?っは…ほんとムカつく」
しかも、超絶機嫌悪いし…
「…隠すって…やだなぁ水樹。そんなんじゃないよ。この子は、俺の友達」
友達なんて言いたくもないが、水樹がいる手前、穏便に済ませたい。
「壁に両手首抑えて拘束する友達、ね。…随分過激な友達を持ってるんだな裕哉」
「ちょっと怒らせただけだよ…ね?」
男に問うが、混乱しているようでまるで耳に入っていないようだ。
仕方ない。
「まぁ、とりあえず一回離してくれる?」
「っ、嫌だ…っ!!離してしまったら、何処かに行ってしまう…僕の腕の中にはもう、二度と戻ってこない!!」
「ちっ……分かった。それは後で聞いてやるからとりあえず今は黙れ。」
「嫌だっ……!!!っうわ」
押さえつけられていた手を力任せに強く振り払った。
「嫌だ嫌だってだだこねてんじゃねぇよ。話は聞くっつってんだろ」
とりあえず、水樹を遠ざけないと…
「おい水樹。ここはいいから早く寮に…」
「また、誤魔化すのか?」
「!!凛也?…お前が水樹を呼んだのか?」
「あぁ。そうだ」
「どうして…」
「それは勿論、お前を助けられるのはこの弟君くらいだろ?」
「でも…!!」
水樹は、ダメだ。
水樹に知られてはいけない。
「裕哉君…あれがきみの大事な弟?」
「!!!お前っ…」
「どうも変態さん。僕が裕哉の弟の高野水樹。それはそうと、さっさと其奴から離れてくれる?」
「馬鹿!挑発すんな!!」
「愛されることに慣れてる君にはわからないよ…僕のことなんて」
「…何被害者面してんだよ…愛される事に慣れてるって?愛されることを自分から投げ出したお前に、そんなこと言われなくないね」
「っ、そんなの、願ったって叶わないだろ!!どうやったって!だったらこうするしかないんだよ!!」
「巫山戯るなよ…お前は確かに持ってたんだよ…幾らでも他に方法があった筈なのに、一番望めない方法を選んだのはお前だろ!!!」
水樹は泣きそうな顔でそう叫ぶ。震えてる足が、歪んだ顔が必死さを物語る。
「じゃあ…じゃあ僕は、どうすればよかったの?」
男は力なくへたり込む。
そんな男に向かって声をかける。
「どうすれば、じゃなくてどうするかだよ。これからだって遅くない。」
「えっ…?」
「取り敢えず、お前の名前教えてくれる?」
先ずはそこから、かな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 217