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御帰りなさいませ
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開店前から長蛇の列ができていた俺たちのクラスは常に超満員だった。
普段から執事のいる生活に慣れているクラスの連中は完璧に執事をやっている…
と思いきや尽くす側は慣れていない様で
「おかえりなさーい!御主人!」
「っぁ…ま、眩しい…!!!!」
「ご飯にする?お風呂にする?それとも…俺?」
亜嵐が新妻の様にそういうと、
「あっ…会計様でお願いしまぁああす!!!」
「こら御主人。あまり興奮なさってはお体に障りますよ。私がお連れ致しますのでドウゾコチラヘ?」
凛也が強めの力でズルズルと客…じゃなくて御主人を連れて行く。
こらこら凛也客商売、客商売。
スマイル崩れてるからね。
「いらっしゃいませー」
「こら!忍!執事喫茶なんやからいらっしゃいませはご法度やで!!阿保!」
なんかこっちでもワチャワチャしてる。まぁ可愛いからいいんだけどね。
俺はというと…
「おかえりなさいませ。御主人様。どうぞ此方へ。お荷物お持ちします。」
まぁ…卒なくこなしますよね。
さっきクラスの子に執事のノウハウをご教授願いまして。
雰囲気出してやってみたらそりゃあもう当たりまして。
「裕哉様…っ素敵すぎるっ…」
「裕哉様なんてお呼びになられたことないでしょう。裕哉で結構ですよ。さぁ。お手をどうぞ」
手を差し出して席までエスコートをする。
途中主人がバランスを崩し、転けようものなら
「おっと…お怪我はありませんか?御主人。」
「すっ、すみませ…大丈夫ですっ…ありがとうございます…」
「礼には及びません。ご無事でなによりです。」
と言って手の甲に軽く口付けを落とす。
客(御主人)は力無くへたり込みクラスの人に回収されました。失敗した…これじゃあ何も貢いで…うん、頼んでもらえないな…
まぁ、そんなこんなで執事喫茶は大盛況。
接客の後、出る前にチェキ撮影が出来ると言うデマが回ってしまい混乱を抑えるため予定外の撮影スペースが作られたことを除けば予定通り滞りなく進んでいた。
ただ…
「水樹坊ちゃんが来ない…」
「あと30分で俺らのシフト交換だけど…」
「くっそぅ…水樹の馬鹿…」
確かにこの列をみたらあのボーイは並ぶのを嫌がるだろう…
くそ…こうなったら…吹っ切れてやる!!
水樹め。噂を聞いて後悔するんだな!!
「御帰りなさいませ〜!御主人様!お席にご案内するにゃんっ☆」
「ただいま!!裕哉!!」
「ひっ…ま、守さ…!?」
うわっ、うっわ……死ねるわ。これ。
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