アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
小耳に挟んだんだけどね
-
守さん達を席に案内して暫くすると、守さんを見つけた亜嵐がパタパタと近づいてくる。
「え!理事長じゃん!なんでこんなところいるのー??」
「やぁ亜嵐。可愛いねぇ〜ほら、こっちおいで。」
「聞いてます〜?まぁいいや。たんまり金落としてってくれるなら、行ってやってもいいぜ?」
「亜嵐が可愛く傅いてくれるなら、考えても良いよ?」
妖しく守さんが笑う。
「傅いてって…趣味全開ですね。変態理事長」
「秋人?確か、もう一着執事服と猫耳のセットが僕の部屋にあるんでしたっけ…」
「あ、亜嵐君、ほら。あそこのお客さん、待ってるよ」
「あ…はーい。行ってきまーす」
「それはそうと裕哉にゃん?」
「はーいなんですかー?御主人たまー」
「たま…うん。それでね。ちょっと小耳に挟んだんだけどね。水樹くんのクラス、今年劇やるんだってね。」
「そうなんですよ!!ああ。時間、もうすぐでしたっけ?…でも、水樹裏方だって言ってたんで…残念だなって。」
「そうそう。僕もそう思っていたんだけどね。なんだかトラブルがあったらしくて、急遽水樹くんが劇に出ることになったんだって。それで、その役っていうのがねーー」
え…??
今、なんて言った?
そんなの…そんなの…
「御主人様。急に肝要の用事が出来たのでお暇をいただきます。」
俺は着の身着のまま教室を飛び出した。目指すは1-Sの教室。
目的は最前列の席を陣取るため。
「待ってろよ…水樹…!!」
[その役っていうのがね…シンデレラの役なんだって。]
そんなの…!!
女装なんて…女装なんて…
「美味しすぎる…!!」
*
「あーあ。行っちゃったな。裕哉にゃん。」
裕哉の後ろ姿を見送る秋人が名残惜しげに言う。
「またすぐにでも会えるさ。秋人、コーヒーで良かったかな?」
「…俺、コーヒー飲めないの知ってるでしょう…ほんと底意地悪いですよね。」
「だって秋人が虐めて欲しそうな顔で僕のこと見てるから」
「真顔でそんなこと言わないでくださいよ。ほんと真性ドS怖え…」
嫌そうな顔で此方を見る。
だからその顔が男の加虐心を煽るんだと何回か言えば覚えるのだろう。
「あはは。いい顔…で、何飲むの?」
「…ホットミルクで。」
「んー?御主人たまー、ミルクが飲みたいにゃんって言ってくれないと聞こえないな?」
そう言うと少し顔を赤らめて
「っ、ここどこだと思って…つか、何プレイ…」
「ほら。混んでるんだから早く。」
「…じゃあ自分で頼みます」
「うん?」
「顔こっわ…っち、…御主人様…ミルクが飲みたい、にゃ」
これは、ちょっと想像以上かな…
「……秋人。出るぞ。」
「え?ちょ…!?入ったばっかり…っていうか何も頼まずに…!」
「ごめんね〜貴澄君。明日絶対また来るから、今日はちょっと失礼するね。」
「あ、はい!待っとります!」
挨拶もそこそこに理事長室へ秋人を連れ込む。
「…ほんと理事長って変態ですよね」
今どんな悪態つかれても、煽りにしか聞こえないな…
「ああ、そうかもしれないね」
そう言って薄く開かれた唇同士を重ねた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 217