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偉い悪魔、迷子になる。《2》
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「おい、ここは天界か?」
「はぁ?そんなの当たり前でしょ?おっさん、まさか良い年こいて迷子な訳?」
「な…、そ、そんな筈なかろう…。念の為に確認しただけだ!」
「ふ~ん、念の為ねぇ…」
ジロジロと目の前の男が吾輩を訝しげに見てくる。
「ここ、天界の中でも限られた天使しか入ってこれない場所だけど、おっさん何者?」
あんの案内人…!
そんな厄介な場所に吾輩を置き去りにしおって…!
やはり、誰かにはめられたのだ。
こんな事をしでかすのは、ベルゼブブの性悪以外に考えられない。
ベルゼブブもまた、魔界で力のある上級悪魔なのだが、奴とは昔から意見が合わず、衝突していた。
奴は、吾輩の事を疎ましく思っている。
勿論、吾輩も奴の事はいけ好かない奴だと思っているが…。
「おっさん、見た所悪魔みたいだけど、名前は?」
「ふん、貴様の様な位の低そうな天使でも吾輩の名前位は聞いた事があるだろう。びびってひっくり返るなよ!吾輩は魔界の大悪魔、べる………」
ベルフェゴール公爵様だ!と続けようとして、はたと気づく。
魔力を使えない今、目の前の男に素性を知られてはまずいかもしれない。
天使等、信用ならないのだから。
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