アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
新しい関係
-
お互いに気持ちを伝え合う事でこんなにも幸せになれるなんて知らなかった。
本当は、拓哉に拒絶されるのが一番怖かった。
でも、勇気を出して言ってみなきゃ何も始まんねぇなと改めて思った。
両想いと分かっても、今まで通りの関係がほんの少し変わるだけだろうし、これからに任せていけば良いと考えていた。
そして、俺は、どうしても解決したい問題に向き合う事にした。
「で、拓哉?」
「な、何?」
「単刀直入に聞くけど、何であんな事したんだ?」
「あぁ~もうちょっと幸せな時間に浸らしてくれても良くねぇ?」
「そんな事言える立場か?ん?」
「すんません」
「分かれば良いんだよ。で、何で?」
「はぁ………ムカついたんだよ」
「は?」
「だから、ムカついたんだって。ずっと、お前の良き理解者として傍に居つつ、守ってきたのに、それを全否定されてカッとなって、気付いたらあんな事をしてた。けど、やった事は本当最低で、ケガもさせちまったし………本当ごめん。けど、本音を言うとさ、俺は風斗を抱いた事に関して後悔はしてねぇんだ」
「……何で?結果として、今はこんな風になってるけど、お前の行動で、俺達の関係が終わってたかもしんねぇんだぞ?」
「あぁ。だからだよ」
「どういう事だ?意味分かんねぇよ」
「だからさ、風斗は今回の事がきっかけで、俺の事好きだって気付いてくれただろ?」
「うん」
「俺は、風斗が自分の気持ちに気付く前からずっと好きだったんだ。こんな事言ったら引かれるかもかもしんねぇけど、お前をおかずにして抜いた事だってあるし、お前を抱く想像も何回もした。お前の傍に居ながら、何時だって頭の中では、お前を犯してた」
「…………マジで?」
「あぁ。マジで。だけど、お前が他の奴にはゼッテェ与えてねぇ、俺にだけ与えてくれた信頼を壊したくなくて、むしろずっと守りたかったから、必死にこの気持ちを隠してた」
「………なのに、あの時、俺が迷惑みたいな言い方をしちまったから、あんな事したのか?」
「………ごめん。本当ごめん。謝って済む事じゃねぇくらい最低な事をしたのは自分でも分かってる。けど、俺が一番大事にしてた関係もお前にとってはどうでも良い事だったんだって、全てを否定された気持ちになっちまったんだ」
「……そっか」
「お前が俺との行為のせいで気を失った後、俺が付けちまった傷を手当てしながら、スゲェ後悔した。自分の手で自分が一番守りたかった関係を壊しちまったって。でもさ、さっきも言ったけど、抱いた事に関しては後悔してねぇんだよ。例えお前の気持ちが無くてもさ。あの時は、二度とお前に触れる事は出来ねぇって思ってたからさ、たった一度だけだったけど、お前に触れられて嬉しかったんだ」
「………俺は、本当に痛かったし、辛かったよ」
「うん。そうだよな。マジでごめん」
「けど、もう許す。お前が十分反省してるのはスゲェ伝わったし。俺の事が好き過ぎてやっちまったって事も分かったし」
「……そんな簡単に許して良いのか?もっと責めて良いんだぞ?」
「良いんだ。だって、拓哉が俺の事を無理矢理でもあぁしなかったら、今の俺達の関係はなかったからさ。けど、これだけは約束しろ!二度と無理矢理あんな事すんな!良いな?」
「あぁ。もうゼッテェしねぇ。約束する」
「それともう一つ!他の奴に同じ事はゼッテェすんなよ!」
「しねぇよ。だって俺は、俺が惚れた風斗だから抱いたんだ」
「………………なっ!?」
「あれぇ~?お顔が真っ赤ですよ~?」
「う、うるさい!や、やっぱり辞めた!やっぱり、お前の事なんて好きじゃねぇ!付き合わない!」
「あ?そうかよ?別にいいぜ?」
「え?」
「だって、好きだって言い合っただけで、付き合おうなんてお互い言ってねぇしな」
「な、何でそんな事言うんだよ!!」
的確に本当の事を言い当てられて焦ったし、拓哉の好きは、さっきの話からそんな筈はないと思うけど、本当は友達としての好きで、俺の早とちりだったんじゃないかという考えが頭ん中を過った瞬間、さっきは嬉しくて流れた涙が、今度は不安の涙となって溢れ出した。
「う~ヒッ……ぅ~あ、謝るから、ヒクッ……そ、そん、な、事、い、言うぅ〜ょ……」
「ごめん。ごめん。意地悪し過ぎた。嘘だよ。でもさ、これくらい、俺が言わねぇとカッコワリィだろ?」
「え?」
拓哉は、今まで聞いた事が無い位の優しい声と今まで見た事も無い様な優しい目付きで俺を見つめ、それから、俺をさらに幸せにする言葉を口にした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
25 / 51