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文化祭
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そんな中、俺達の学校では、もうすぐ文化祭が始まる。
その為の準備に向けて、俺のクラスでは、何の出し物をするか話し合っていた。
(はぁ~面倒くさ……どうせやる事なんて俺には小物の買い出しとかの仕事しかねぇんだから、早く決めてくんねぇかな)
そう思いながらチラッと拓哉の方を見る。
朝、イライラしたのもあって、拓哉とはずっと話してない。
別にもうイライラしてないし、拓哉と話したい欲求がすげぇけど、あんな態度をとってしまった後で、どう話しかけて良いか分からず、時間はどんどん過ぎ、気付けば、3限が始まっていた。
(……どうしよう…………話しかけてくれたのに、無視はダメだったよなぁ……)
「ごめんなさい」その一言を言えば、拓哉はきっと許してくれる。
長年の付き合いでそれは分かってた。
けど、その一言を俺はなかなか言えない。
いつもは拓哉が俺が謝りやすい様な雰囲気を作ってくれるけど、今回はそんな雰囲気を作ってくれそうもない。
机に突っ伏してるし……
そんな感じでクラスの話し合いには参加せず、拓哉の事をずっと考えながら、ボーっとしていた。
ボーっとはしてたけど、一応話し合いの内容には耳を傾けていて「それじゃあ、今年の文化祭の2年5組の出し物は、コスプレ写真館で良いですか?」って言う委員長の言葉が聞こえて、何をするか決まったのが分かった。
(コスプレ写真館って……需要あんのか……?)
とか色々考えたけど、話し合いに参加する気にはなれず、クラスの人達がガヤガヤ言い合ってるのを聞きながら、話し合いはスムーズに進み、そのまま3限が終わった。
どうにか仲直りしたい俺は、4限が始まる10分休憩の間に話しかけようと拓哉の横をウロウロしていた。
すると突然「何?」って、さっきまで、机に突っ伏して寝ていた拓哉が起き上がって話しかけてきた。
拓哉から話しかけてくれた事に少し喜びを感じながら、謝ろうと声を出す。
けど、緊張してしまって、口の呂律が回らない。
「あの、その、えっと…………」
「……………」
(スゲェ見られてる……な、何か言わなきゃ)
「………あのさ…………………」
「機嫌は直った?」
何か言おう何か言おうと考えていると、余計口が動かなくなってしまって、焦りだけが募る。
すると、拓哉がまたしても急にこんな事を言ってきた。
もう、機嫌が良くなっていた俺は、この質問に素直に答える。
「……!うん………」
「そ。それは、良かった」
そう言いながら、ようやく笑顔を見せてくれた拓哉にホッとする。
でも、ここで終わらせたら拓哉に甘えたままの俺で終わってしまう。
(それじゃダメだ……ちゃんと自分のした事は、謝らねぇと……)
「あの、拓哉?」
「ん?」
「……………………ごめんなさい」
「フッ、初めから怒ってないよ」
拓哉は、優しい顔で俺を見つめながらそう言った。
「え?でも、俺、無視しちゃったし……」
「うん。それでも、怒ってないよ」
「じゃあ、許してくれてんの?」
「当たり前。最初から許してるよ」
「でも、嫌な気持ちにはさせたよな……ごめん」
「確かに、理由も分からねぇで無視されんのはムカつくけど、今回は理由が分かってるし、いいもん見れたから、いいんだよ」
「いいもん?」
「そう。いいもん」
「…………?」
「分かんない?」
「うん」
拓哉は時々、俺が理解出来ない事を言う。
今回も分かんねぇから、素直に頷いた。
いいもんって、俺、何かしたか………?
「仕方ねぇなぁ〜分かんねぇなら、教えてやんねぇとな。それはさ、お前の態度だよ」
「態度?」
「そう、態度。可愛い可愛い拗ね方だったよ」
「………!?な!?か、可愛くねぇし、拗ねてねぇ!!」
そう言いながら、自分の顔が一気に真っ赤になったのが分かった。
「途中から俺に放ったらかしにされて、拗ねてた癖に、何言ってんだよ」
「ち、違!!」
「はいはい」
こんな感じで、少しからかわれながらも、ようやく仲直り出来た俺は、上機嫌で4限の授業を受けた。
4限が終わり、昼休み
「風斗、食堂に飯食いに行こうぜ」
「うん」
そう言って立ち上がった時……
「あの!!」
可愛い女子の声が聞こえた。
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