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21本目、噂話。
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今朝はすんなりと起きられなかった。
発情期があるせいだろう、まるで寝不足の時みたいだ。
ダルい体を引きずり何とか支度を始める。
その途中でスマホを確認すると長野さんから連絡がきていた。
『歩生くんおはよう!
今日はやっと会えるね!楽しみだよ。
歩生くんの大学の裏にある喫茶店わかるかな?
久しぶりにそこに行きたいから待ち合わせ場所にしても平気?』
この内容を読み、目と脳がしっかりと覚めてきた。今日は長野さんに会える日で楽しいことが待ってるじゃないか。
大学の裏の喫茶店はとてもオシャレな雰囲気で
気になってたものの入りにくかったからとてもありがたい。
外観が白くて店の前には沢山の植物が飾られている。
ガラス張りなため中が見えるが、じっと見すぎるのも良くないと思い店内の雰囲気までは分からない。
『おはようございます。了解しました。
先についたら入って待ってますね。僕も楽しみです!ではまたあとで。』
僕は高まる気持ちを抑えつつも返信をして支度に戻る。
カバンの中身をしっかりとチェック。
薬も財布も課題も持った。
忘れ物がないことを確認した後に家を出て大学へと向かう。
念には念を入れて、篠宮さんに会わないように沢木に僕は今日大学に行けないと連絡をした。
周りから落とすようなやり方をする篠宮さんだから沢木が居場所を聞かれて仮に答えてしまったら見つかってしまう。
沢木は簡単に話さないと信じてはいるものの、やはり怖い気持ちが勝ってしまい嘘をついてしまった。
____
「よし紅野は提出完了だな」
「はい。よろしくお願いします」
課題を提出してさっさと喫茶店へ行こうとしていた。
一刻も早く大学から出ないと篠宮さんに見つかってしまう。
ついでに沢木にも嘘をついているため見つかると色々説明しなきゃならなくなる。
「そういや紅野、お前は篠宮と仲良いのか?」
「なんでですか?」
「沢木らがさっきその話をしてたんだ。篠宮みたいなタイプとお前が絡むのは意外だな。まぁあいつも悪い奴じゃない」
突然の話に少し戸惑う。
沢木たちが篠宮さんと僕の話をしていた?
また何か噂話が出回っているのだろうか。
もしかして篠宮さんが変な噂話をでっち上げて流しているかもしれない。
僕のバイト先もバラされているかもしれない。
「いえ、篠宮さんは…名前を知ってるくらいです」
「なんだ。そうだったのか。まぁいい、お疲れ様」
「お疲れ様です」
色んな人の耳に入っているのだろうか。
少し気がかりだけれど知る方法がない。
沢木に連絡して聞こうにもなんて言ったらいいのか分からない。
自然とその話が消えることを願いつつ教室を後にした。
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