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55本目、早め。
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二人で手を繋ぎ歩く後には水の足跡が残っている。こんなにずぶ濡れだから通りすがりの人にヒソヒソされるのも仕方ない。
旅館に着き中に入ると、女性が僕らを見て慌てた様子で駆け寄る。
「お、お客様!!!びしょ濡れじゃないですか…!ただ今タオルをお持ちします」
「あっはっは。大学生もまだまだ元気だなぁ」
タオルを取り行ってもらっている間に大和さんが来た。
「すみませんこんな格好で戻ってきて」
「慣れてる慣れてる。あそこの川で遊んでびしょ濡れになって来る人多いから」
「あはは。その通りです。すみません」
とはいえきっとびしょ濡れなのは子どもたちだろう。申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
「今からもう温泉行ってきちゃったらどう?この時間帯人少ないし」
「そうですね。そうします」
「お待たせしました、これで拭いてください」
「ありがとうございます」
「す、すみません…」
戻ってきた女性からタオルを受け取り頭や体を拭きだす。
髪の毛から滴っていて少し鬱陶しかった水がなくなり随分楽になった。
軽く拭いたあとは着替えをとるため一旦部屋に戻ることにした。
「明るい内に風呂って新鮮でいいかもね」
「そうですね」
はやく体にぺたぺたと引っ付く服を脱ぎたい。
それに温まらないといよいよ風邪を引きそうだ。
部屋について着替えやタオルを持ち温泉へと向かう。
「忘れ物ない?」
「大丈夫です」
「よし、行こう」
少し駆け足で向かう暖さんの後について行く。
きっと僕と同じく早く服を脱いで温まりたいのだろう。温泉のある場所へ近づくにつれて人とすれ違わなくなってきた。
大和さんの言ってた通りこの時間帯は利用者が少ないみたいだ。
“男湯”と書かれた青いのれんをくぐるとロッカーがある。
「人本当にいないね。広々とはいれそう」
「そうですね。楽しみです」
入口に近い位置のロッカーの中に荷物を入れて服を脱ぎ出した。
ようやく脱げて気持ち悪さがとっぱらえてスッキリとする。
先に脱ぎ終えた暖さんはロッカーを閉じて僕のことを待ってくれていた。
それに気づいて残りの服もさっさと脱いで同じくロッカーを閉じる。
鍵を手首に付けて二人で温泉へと向かった。
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