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84本目、お互い幸せ。
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朝から衝撃的な起こし方をされて、思い出す度に少し顔が熱くなる。
結局何度かキスもされたし、口移しで抑制剤を飲ませてくれたと言うのに体まで火照りそうになる。
僕が寝ている間に部屋へ運んでもらっていた朝食を食べようと移動をする。
美味しそうな鮭に味噌汁に玉子焼き。
自分で和食を朝から作るのはなかなか大変だからとても嬉しい。
「朝ご飯まで豪華ですね」
「そうだね。ここはご飯が物凄く美味しいから朝から食べられるなんて」
「本当ですね。いただきます」
「俺も、いただきます」
鮭の身を箸でほぐしてお米にのせる。
そしてそのお米ごと口の中へと運び入れる。
「…お、美味しい!」
「めっちゃ美味しいね」
「はい。あっという間に食べきれそうです」
いつもなら朝は食欲が無いけれど、今日は美味しくてたくさん食べられそうな気がしてきた。
昨夜苦しくなったのが嘘かのようにどんどんと食べ進められる。
鮭だけではなく梅干しでもお米を食べる。
このしょっぱさがお米と合うから止まらなくなる。その後はほんのり甘い玉子焼き。
「…歩生、もっとゆっくり食べないと喉詰まるよ」
「そんなにガツガツしてましたか…?」
「そうだね、ガツガツしてたよ」
そう言われれば確かにあまりにも美味しくて次々と食べていた気がする。
暖さんに言われた通りゆっくり食べようと、一度お茶を飲んで心を落ち着けた。
(ゆっくり…味わって…)
また鮭とお米を一緒に食べる。
確かに急いで食べなくても目の前の料理は逃げていかない。
「…でも本当に美味しくて幸せそうにしてるのが伝わってきてなんか嬉しくなった」
「嬉しく…ですか?」
「うん。ここを選んでよかったなって。ここは間違いなく喜んでもらえるだろうとは思ってたけど、いざこうして目の前で幸せそうにされると…嬉しいんだよ」
暖さんが優しい笑顔でそんなことを言うから僕まで嬉しくなる。
僕が楽しい、幸せだと思うと暖さんまでそう思ってくれる。
今この瞬間を共有できていることがたまらなく幸せなんだ。
「そう言って貰えて嬉しいです。僕も暖さんのそういう姿を見ると幸せになれます」
「…よかった。じゃあお互い幸せでいようね」
「はい」
改めて口にするとむず痒い気持ちになり、今度こそご飯が喉に詰まりそうだ。
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