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あれから二週間。
なかなか諦め切れずに、通学路を自転車でゆっくり走りながら道端に目を配っていた。
「ちょっと待って」
川沿いの道に入った所で、突然男の声が耳に入る。
(えっ、俺?)
立ち止まって振り返ると、キャップ帽を目深に被った黒のVネックTシャツにジーンズ姿の若い男が立っていた。
俺が振り返ったのを確認したのか、スマートな出で立ちのその人はこちらに近づいてきて、右手を差し出した。
(な、何?)
いきなりの不審な行動に思わず身を引いたが、差し出された手の平に恐る恐る目を向ける。
すると、そこにはずっと探していた御守りが乗せられていた。
「あっ!」
(あった、見つかった!
もう完璧に無くしたって思ってたのに!)
「これ、お前の?」
「は、はい!ありがとうございます!」
満面の笑みで男の手の平に乗っている御守りに手を伸ばすと、男は手をスッと引っ込めた。
「……えっ?」
(何?何で手を引っ込めるワケ!?)
俺よりも15センチ程高い位置にある顔を見上げると、今までキャップに隠れて見えなかった顔があまりに整っていた事に驚いた。
(うわっ、すごいイケメン)
「あのさ、ちょっと付き合ってくれる?」
「は?」
(いきなり付き合えって何!?何に付き合うんだよ!?
ってか、なんで俺の御守り返してくんないの?)
様々な謎が交錯して、頭の中はハテナでいっぱいだった。
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