アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
4
-
「えっと、とりあえず、それ返して欲しいんですけど……」
訳の分からない事を言う男の顔色を伺いながらお願いしてみたのだが、男は眉間にシワを寄せて俺をひと睨みした。
「今は駄目だ」
「何でだよ!?」
男の理不尽な返答に思わずタメ口で問いただしたが、男は顔色を変えなかった。
「付き合うなら、ちゃんと返してやるよ」
(何その交換条件、俺に何の用があるワケ?
あ、もしかして……他の仲間の所に連れて行かれて、俺の御守りを人質にとって金でも揺する気なんじゃ……。
冗談じゃない、昼飯代くらいしか持ってないんだぞ!?)
「で、どうするんだ?」
俺が目の前の男の思惑を図りかねていると、しびれを切らしたように再び問いかけて来た。
「お、おれっ、これから学校だから無理です!でも、見つけてくださった事には本当に感謝しています!この通りです!!お願いです、返してください!!」
めいっぱい声を張り上げて、額が太ももにつきそうなほど深々と頭を下げて懇願した。
「仕方ねーな」
男が大きなため息をつきながらそう呟いたので、俺の必死な態度が男の胸を打ったのか、と思わず笑みがこぼれた。
「あ、それじゃ…」
「何時に終わるんだ?」
「……へっ?」
御守りを素直に返す気になったのだと喜んでいたのに、返ってきたのは思いもよらない言葉。
「だから、学校何時に終わんのかって聞いてんの。その制服、北高だろ?俺、正門で待っててやるから」
俺の間抜けな声に、少しイラついた様子で腕組みをしてそう続けた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 14