アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9
-
差し出された御守りを見つめて、どう答えたら良いものかと考え込んでしまう。
「なぁ、何かリアクションしろよ」
「いたっ!」
男は痺れを切らしたように、俺にデコピンを喰らわせてきた。
「ちょっ、なんでデコピン!?あっ!……いや、あの、そのおじいさんって誰なんですか?」
「プハッ!お前の反応、マジかわいい!!」
何がツボにはまったのか、男は腹を抱えて笑い出した。
(……本当にこの男、イチイチムカつく。
コイツの言動にイチイチ反応してたら疲れるだけだ。
とにかく今は、ある程度スルーして早く立ち去ろう)
沸々とわく怒りを抑え込んで、とりあえず、差し出された御守りは奪い取って胸のポケットにしまう。
「あの、それで……さっきの話、詳しく説明してくださいよ」
笑い続ける男に冷たい目を向けながら話すよう促すと、ワリィワリィ、と目元を手で拭いながらガードレールにもたれ掛かった。
「俺達が今朝会った川沿いの道で、いつも散歩してたじいさんがいたんだけど……お前覚えてるか?」
「あ……。はい、覚えてます」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 14