アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
出会い
-
「まず質問の前に、今回の事件について少し説明しますね」
「はい。お願いします」
「今回の事件ですが、加藤さんが出会った男達は、分かりやすく言いますと、レイプ魔です。しかし、女性を襲うのではなく、被害者は全員男性でした。中には、殺害された方もいます。我々は、この悪質な事件を三年に渡って捜査し続けて来たのですが、事件現場に犯人の証拠となる様な物は残っておらず、捜査は中々進みませんでした」
「あの、説明の途中にすみません。質問良いですか?」
「はい。何でしょうか?」
「えっと、捜査が進んでなかったのに、どうして今回は、場所が分かったんですか?」
「あっ、それはですね、元々加藤さんが拐われた地域で被害が集中していて、あの周辺に犯人達が居る事は把握出来ていたんです。ただ、被害を受けた方々の話を聞くと、連れて行かれた場所は様々で、犯人達の居場所を特定する事がなかなか出来ませんでした。けれど、今回、何故場所の特定が出来たかといいますと、加藤さんを無理矢理連れて行く男達をたまたま見かけた住民の方からの通報でした。そのお陰で、犯人達がどの方向に行ったのか把握が出来ましたので、その方向で今迄被害を受けた方々の建物を再度調べ、犯人逮捕へと繋げる事が出来ました」
「そうだったんですね。ずっと、どうやって居場所が分かったんだろうって不思議だったんです。やっとモヤモヤが取れました」
「それは良かったです。それで、ざっと今回の事件について説明しましたが、他に質問はありますか?」
「ありません。でも、僕以外にも被害に遭われた方がいるって聞いて驚いてます。ニュースでは全然流れてなかったので。僕は、助けて貰えたけど、それでも本当に怖かったから、被害に遭われた方々は本当に辛くて怖かっただろうなって思います」
「そうですね。ニュースで流れなかったのは、被害者の方々が拒んだ為です。本当に申し訳ない気持ちで一杯です」
「………」
僕は、何と言えば良いのか分からず、口を開く事が出来なかった。
大舘さんを見つめていれば、目が合って、優しく笑うから、僕もつられて笑っていた。
「すいません。何だか暗くなってしまいましたね。では、今から質問していきますね」
「はい」
「それでは、まず、男達とは何時頃何処で会いましたか?」
「えっと、大学から帰る途中だったので、時間は、四時半過ぎ位だと思います。会ったのは、自分の家の近くにある公園の前です。その時、急に………」
「そうですか。大丈夫ですか?」
「あっ、はい。大丈夫です。続けて下さい」
・
・
・
・
「お疲れ様でした。ありがとうございました」
「あの、こんなグダグダで大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。ご協力感謝します」
「良かった……」
「では、私は今回の内容を纏めなければならないので、これで失礼します。今日はありがとうございました。また、伺うと思いますが、その時はお願いします」
「はい。ありがとうございました」
そう言うと大舘さんは帰って行った。
ふぅ。疲れた。
思い出したくない記憶もあったけど、一先ず無事に終わって良かった。
それにしても大舘さんカッコ良かったぁ。
大人の男性って感じだったな。
あんな人に守られる女性は幸せだろうなぁ……って、僕ってば何考えてるの!!
……はぁ…また、会えるかな……ハッ!!だから、何考えてるんだってば!!
ほ、他の事!他の事考えよっ!
えっと、明日!明日は何しよう……ん〜……その前に本当に疲れた………………
そんな事を思っていたらいつの間にか眠っていた。
こんな感じで大舘さんと出会った一日は過ぎた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 52