アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
再び
-
もうすぐ入院して一週間が経とうとしていた。
あれから大舘さんが来る事もなく、何も変わらない平和な入院生活を送っている僕。
今日は、父と母がお見舞いに来てくれる。
そんな事を考えていた。
すると、突然、病室のドアが開いた。
入って来たのは、父と母、そして大舘さんだった。父と母が来る事は分かっていたから驚かなかったけど、大舘さんが居るのには驚いた。
でも、また会いたいと思っていたから会えて嬉しかった。
だけど、何で居るのか分からなくて、どうしたんだろう?と考えていると、大舘さんが口を開いた。
「突然来てしまい、申し訳ありません。少し、確認したい事がありまして、直ぐ終わるので少々お時間よろしいですか?」
「はい。大丈夫です。お父さん、お母さん、少しだけ話しても大丈夫?」
「えぇ。大丈夫よ。えっと、警察の方?」
「うん。そうだよ」
「そう。警察の方だったのね。初めまして。悠久の母の良子です」
「父の龍之介だ」
「初めまして。挨拶が遅れてしまい申し訳ありません。警視庁の大舘と申します。この度、加藤さんの担当になりました。短い間ですが、よろしくお願いします」
「お願いします。じゃあ、邪魔になっちゃいけないから、私とお父さんは、外で待ってますね。終わったら声を掛けて下さい」
「はい。分かりました」
そう言って、父と母は病室から出て行った。
「すいません。また連絡するのを忘れてしまって」
「いえ。大丈夫です。それで、僕は何をしたら?」
「今日はですね、報告書が出来たので、確認をして頂こうと思いまして。よろしいですか?」
「あ、はい。分かりました。読むだけで良いんですか?」
「読むだけで大丈夫です。読んでいて、気になる文章がありましたら教えて下さい。では、お願いします」
「分かりました」
・
・
・
「ふぅ。疲れた」
「読み終わりましたか?お疲れ様です。何か気になる箇所がありましたら言って頂けると助かります」
「大丈夫です」
「分かりました。ご協力感謝します。という事で、これで以上となります。ありがとうございました」
「ありがとうございました。警察の方と直接お話するなんて今までなかったので、とても良い経験になりました」
「警察に興味が湧きましたか?」
「はい。小さい頃、警察官になりたいって夢があったので……」
「そうですか。でしたら是非、目指してくれると私も嬉しいです」
「こんな僕でもなれますか?」
「えぇ。なれますよ。是非、お待ちしています。一緒に働けると良いですね」
「もしそうなったら、楽しそうですね。その時は、先輩としてよろしくお願いします」
「ハハ、そうですね。ビシバシ指導するんでちゃんと付いてきて下さいね」
「頑張ります。でも、お手柔らかに……」
「ハハッ、分かりました。それでは、ご両親を待たせてしまっているので、私はこれで失礼します。ありがとうございました」
「はい。わざわざありがとうございました。気を付けてお帰り下さい」
そう言って大舘さんは、父と母を呼びに病室を出て行った。
……警察かぁ。
小さい頃の夢で、今は諦めてたけど、カッコ良いなぁ。警察官。
でも、何で警察になろうって考えてたんだっけ……
あっ!思い出した!昔、大好きだった近所のお兄ちゃんが警察官になるって言ってたからだ。
大好きだったなぁ…確か、引っ越す時に会えなかったから、一度だけ、会いたいって手紙を送った事があったんだけど、来てくれなかったんだよね………元気にしてるかな……?
あれ?でも、どんな顔してたっけ……??
ん〜……それより、大舘さんと一緒に働けたら楽しいだろうなぁ。
よし!これからの大学生活、警察の道も視野に入れて勉強していこう。
そんな事を考えながら、病室に戻って来た父と母と色々な話をして今日は過ぎた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
9 / 52