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再開(優視点)
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今日は、久し振りに午後から休みで、好きな作家の小説の発売日だったから、仕事終わりに本屋に寄った。
目当ての本を見つけて店内をブラブラしていると、見た事ある顔を見つけた。
まだ、その子かどうか定かではないし、一生懸命何か悩んでるみたいだったから声を掛けるつもりはなかったのに、つい口が滑ってその子に話しかけてしまった。
「加藤君?」
呼ばれた子はビクッと体を震わせながら私の方を向いた後、安心したのかあの時ドキッとした笑顔を見せてくれた。
その後は、参考書を探しているという加藤君に付き合って、一緒に参考書を探した。
「ありがとうございました。助かりました」
「うん。私も役に立てて良かったよ」
「じゃあ、この参考書で勉強してみます。本当にありがとうございました」
「良いよ。あっ、そうだ!分からない事があったら聞いてくれて良いからね」
「はい。ありがとうございます……でも、僕、大舘さんの連絡先知らないです」
「あっ、そうだったね。じゃあ、交換しよう」
「はい。お願いします……今日の大舘さん、何だか雰囲気が違う気がします」
「まぁ、加藤君と会ってた時は仕事中だったからね。今は、違うから。仕事以外でもきっちりしてると疲れちゃうよ」
「そうですよね。でも、僕、今みたいな柔らかい雰囲気の大舘さんも仕事中の硬い雰囲気の大舘さんもどっちも素敵だなって思います」
「ハハッ!そう言って貰えると嬉しいな。よし!交換出来たかな?」
「はい、出来てます。ありがとうございます。あっ!僕、今なんか変な事言いましたよね?すいません」
「良いよ。嬉しかったから。そうだ、これから家に帰るの?」
「はい。友人から寄り道せずに帰れよって言われてて、でも、約束破って本屋に寄っちゃったんですけど」
「アハハッ!そうだったんだね。じゃあ、夕飯はまだ?」
「はい。家に帰って食べようかなと思ってます」
「1人で?」
「はい」
「じゃあ、一緒に食べない?」
「え?良いんですか?嬉しいです!何処行きますか?」
「う~ん。そうだなぁ……」
まだ話がしたくて、食事に誘ってみた。
こんなにドキドキする気持ちになったのはあの時以来だ。
この食事で少しでもこの気持ちの正体を知れたら良いんだが………
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