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目覚め
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「良かった。本当に良かった」
「………………ん、おか、あ、さん。ここ、ど、こ?」
目を覚ますと僕の目の前には、さっきまで居た2人は居なくて、真っ白な天井と涙を流す母と一生懸命涙を堪える父が居た。
でも、目を覚ましたばかりで、僕はここが何処なのか、なかなか理解出来なかった。
「ここ?ここは病院よ」
「病院?何で僕、病院にいるの?」
だんだん、意識がはっきりとしてきて、母は僕にここが病院だと教えてくれた。
けど、僕は、あの2人に捕まっていた筈だ。
誰も助けてくれ無いと考えていたのに、誰か助けに来てくれたのだろうか?
それとも、あの2人が自首でもしたのだろうか?
そんな事を頭の中でグルグル考えていた時、聞き慣れた声が聞こえて、声がした方を向くと、大舘さんが立っていた。
「加藤君。こんばんは」
「……………え?大舘さん?どうして……」
(何でここに居るの…………)
「大舘さんが、悠久の事を助けてくれたのよ」
(え……………………?)
僕は、信じられないという顔で大舘さんを見つめてしまった。
「そんな、信じられないみたいな顔で私の事を見ないでくれるかな。本当だよ」
「すいません。でも、どうしてですか?どうして、分かったんですか?」
「そうだねって説明したいとこだけど、まだしっかり休めてないだろう?体調が戻ったら話に来るね。でも、目を覚ましてくれて本当に良かった」
「………………あの、助けてくれてありがとうございました」
「うん。それじゃあ、また後日来るね」
「はい」
「それでは、私はこれで失礼します」
「「本当にありがとうございました」」
大舘さんは、僕と父と母に挨拶すると、帰って行った。
その後は、少しだけ父と母と話したけど、安心したのか、再び気を失うかの様に眠った。
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