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今日は、昨日しっかり寝たからか、スッキリと目覚める事が出来た。
僕は、お昼ご飯の時間まで、母が持ってきてくれた小説を読む事にした。
電子時計が11時10分と表示した時だった。
誰か来たのか、病室の扉が開く音がした。
そして「悠久?起きてるか?」と、カーテン越しに聞き慣れた声が聞こえてきた。
(この声は………)「和也?起きてるよ」
(でも、どうして僕が入院してるって知ってるんだろう?)
「今、話せるか?」
そんな事を考えながら、返事をした。
「うん。大丈夫だよ」
そう返事をすれば、和也がカーテンを開けて、入って来た。
「よ!」
「来てくれてありがとう。でも、どうして僕が入院してるって分かったの?」
「いや、お前が入院してるって聞いたから、ここかなぁ~と思ってさ」
「え?そうなの?誰から?」
「いや、まぁ………な?」
(どうしたんだろう……何か元気もないし……何かあったのかな?)
「…………………??まぁ、いいや。それで今日は、どうしたの?」
「いや………その………」
「?どうしたの?」
「……あのさ、スゲェ話しにくい事なんだけど、お前に隠し事はしときたくねぇし、昨日、自分で話す事整理してきたから、少し長くなるかもだけど聞いてくれるか?」
「?うん。良いよ」
「あのな………………
・
・
・
って事なんだ。俺にもうちょっと説明する力があれば、もっと詳しく説明出来んだけど、大舘さんも来ると思うし、その時に詳しい話は、聞いてくれ」
「え?それじゃあ、大舘さんと和也が僕を助けてくれたって事?」
「まぁ、そうなるな。だから、お前が入院してる事も知ってたんだ。けど、ほとんどは大舘さんがやってくれて、俺は、ただそこに居ただけ」
和也から聞いた話は、衝撃的なものだった。
まさか、和也が僕の犯されそうになっている現場に居たなんて考えるだけで、気がおかしくなりそうだった。
けど、隠さずに真実を話してくれた事は本当に素直に嬉しかった。
「気持ち悪かったでしょ?」
「え?」
「男に犯されそうになってるとこなんて見たくなかったよね。ごめんね。でも、ありがとう」
「何、言ってんだよ。気持ちワリィ訳ねぇだろ!」
「え?」
「ただ、不甲斐なかった。俺は、お前を守るって決めたのに、全然守れなかった。あの時だって、もっと早く声を掛けとけばって今でも考えるよ。ずっと後悔してんだ」
「和也……………」
「ごめんな。次は、ちゃんとお前の事守るから」
「和也………ううん。もう、大丈夫だよ。僕の事守らなくて大丈夫だよ」
「は?何でそんな事言うんだよ………?」
「和也は責任感が強いから、このままじゃ和也が責任感で潰れちゃいそうで怖いよ。だから、僕が、強くなる。そのための力の付け方を教えて?」
「………………そんなんで良いのかよ?」
「うん」
「……分かった…でも、やっぱりお前の事は、守るからな」
「じゃあ、和也がもう大丈夫って思えるくらい強くならなきゃだね」
「そうだな」
「………………………あ、あのさ」
「ん?何?」
「……あの………こんな僕でもこれからも友達でいてくれる?」
「当たり前だろ。こんな事で離れる友情じゃねぇって前も言ったろうが!」
「う、うん。そ、そうだね。言ってたね」
安心した途端、急に涙が出てきた。
和也が僕の友達で本当に良かったと心の底から思った。
「な、泣くなよ。俺まで泣きそうになんだろ!ってか、この間からよく泣いてんなぁ〜」
「な、グスッ、泣いてないよ!ただ、目にゴミが入っただけ!」
「ほ~そうですか」
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