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お見舞い
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抱き締められて、どの位時間が経っただろう………
30分?いや1時間?もしかしたらそれ以上かもしれない。時間の流れがよく分からない。
でも、それくらい大舘さんの腕の中は心地良かったし、本当に本当に安心する事が出来た。
さっきまで混乱していた僕の気持ちも頭も落ち着きを取り戻し、名残惜しさを感じながらも、大舘さんの腕の中から離れた。
「………すいません………」
「大丈夫だよ。落ち着いた?」
「………はい」
「……………………………」
落ち着きを取り戻した筈だったのに、急に僕の目からは大量の涙が溢れ、止める事が出来ない。
「………ウウッ、クッ………ヒッ…ウック………」
そんな僕を見ながら大舘さんは何も言わず、そっと背中をさすってくれた。
まるで『大丈夫だよ。傍に居るよ』と言ってくれている様な優しさに、さらに涙は溢れ出す。
止めよう止めようとすればする程、涙は止まらなくて、僕は涙が自然と止まるまで、その優しい手付きに身を任せた。
・
・
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涙がようやく止まりかけた時、ずっと背中をさすってくれていた大舘さんの手が急に止まり、僕は再び大舘さんの腕の中に居た。
まさかまた抱き締められるとは思ってなくて、驚きのあまり止まりかけだった僕の涙は直ぐに止まった。
「…………お、大舘さん?ぼ、僕もう大丈夫です。ごめんなさい、ありがとうございました…」
「……うん。大丈夫なら良かった。けど、もう少しこのままで居させて欲しい……」
「……………はい」
・
・
・
ドキドキ
ドキドキ
ドキドキ
大舘さんに心臓の音が伝わってるんじゃないかと思うくらい、心臓の音がうるさい……
ま、まだかな………いつまでこうしてるんだろう……?
でも、凄い落ち着く。
僕も時間がまだ大丈夫なら、ずっとこうしてたいよ………大舘さん………
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